ROASの計算式のポイント3つ|注意点やROIとCPAとの違いも紹介
記載されている内容は2021年08月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
初回公開日:2021年08月25日
更新日:2024年06月24日
ROASとは?
Return On Advertising Spendを略してROASと言います。広告費に対する売り上げの達成度合いを測る指標です。これを見れば、売り上げが広告費の何%であったのかが数値として分かります。
ROASをうまく活用すると、広告をより効果的に運用することに繋がります。今回は、ROASの使い方や似ている指標について紹介していきます。マーケティングに携わっている人はぜひ参考にしてください。
ROASの計算式のポイント3つ
ここからは、ROASを計算する時のポイントを3つに分けて紹介します。実際に運用する前に知っておいた方が良い基礎知識がいくつかあります。
ROASは広告改善の力強いツールです。活用すると予算配分やサイトの改善の適切な実施に繋がります。特徴を押さえてしっかり活用しましょう。
1:計算方法
ROASは、売り上げ÷広告費用×100(%)の計算式で算出されます。
例えば、広告費用が50万円かかり200万円の売り上げだとすると、ROAS計算式に当てはめてROAS=200万÷50万×100=400%です。売り上げが高くなるほどROASの値も高くなります。
2:計算結果の読み取り方
ROAS計算結果の数値が高いと、広告の費用対効果が高いと評価できます。先程の計算結果では、広告費用1円あたり4円の売り上げがあるということになります。
ROASをチェックすることで、広告に払った金額が売り上げに繋がっているかどうか可視化されます。ROASが低い時には、広告費を下げること、あるいは売り上げを上げることといった対策が必要性です。
広告のリンク先内容や売り上げに繋がるまでの導線を再考することも、ROASを高めるための有効な対策でしょう。
3:広告費をどれくらい回収できたか分かる
ROASが示しているのは、広告費用の回収率です。ROAS100%を基準にして、広告費をどれだけ回収できたのか把握できます。
ROASが低いと、広告費に対し売り上げが伸びず、費やした金額を十分に回収できていないと判断されます。そのような広告を改善し、反対にROASが高い広告の予算を増やすと、全体の広告効果が良くなる可能性があります。
ROASの注意点3つ
ROASは広告効果を測定するには重要な評価指標ですが、使い方を間違えると誤った広告運用に繋がります。
ここからは、ROASを使う時の注意点を3つ紹介します。実際に使う際は気を付けられるよう、チェックしてください。
1:ROASと売り上げが高くても利益が出ていない場合がある
ROASと売り上げの値からは、利益を直接知ることはできません。ROASの数値が高く出ても利益はマイナスになっているということもあります。
ROASの数値は、あくまで売り上げを基準として広告効果を測定して算出されているものです。広告の評価にROASだけを使うということは危険だと言えるでしょう。
2:ROASと同時にROIを確認する
ROIは、Return on Investmentの略であり、広告費に対する利益の割合を示す指標です。例えば、50万円の広告費用で利益が70万円だった時のROIは、ROI=70万÷50万×100=140%です。
これをROASと併せて考えると、広告効果だけでなく収益性を確認できます。ROASが高い一方でROIが低いという時は、利益が十分ではないと評価されます。
ROASは売り上げ、ROIは利益だと区別し、適切に使い分けましょう。
3:ROASが低い場合は対策をとる
ROASは算出して終わりではなく、低い時には具体的に対策を考えることが必要です。広告の問題点を探し、ポイントを絞って対策を立てましょう。
広告先のWebサイトのキーワードが広告とずれている場合には、訪れたユーザーにあまり興味を持ってもらえていない可能性があります。また、広告の内容とランディングページがユーザーにとって快適なものかどうか、見直してみることも重要です。
ROASと似た用語
ROASに似た用語でマーケティングの評価指標に用いられるものがあります。どれも重要な指標のため、区別して使えるようにしておきましょう。
ここでは、2つの用語を紹介します。チェックしてみてください。
ROI
上でも述べたようにROIはReturn On Investmentの略です。投資収益率や、投資利益率という言葉で訳されることがあります。投資がうまくいっている時はROIの値が高くなります。
投資に対する利益の指標がROI、投資後の売り上げに対する指標がROASです。2つを組み合わせることで、広告について全体的な費用対効果の評価ができます。
ROIを算出した結果利益の良い広告への投資を伸ばすと、収益性が高まります。
計算式
ROIは利益金額÷投資金額×100%の計算式で算出されます。投資金額が利益を上回る時は計算結果が100%を下回り、赤字になる可能性が高いと言えます。反対に計算結果が100%を上回り高くなるほど、投資は成功し高い収益性があると判断されます。
投資は、状況に合わせてコストや経費と言い換え可能です。複数の会社や事業でのROIを比較すると、その会社・事業同士の規模が違っていても比較しやすくなります。
CPA
CPAとは、Cost Per Acquisitionの略です。新規顧客1人を獲得するため、つまりコンバージョン達成のためにかかったコストを指します。広告運用の際によく使われる指標です。
CPAは特に、Webサイト上で商品を扱わない場合や単一価格の商品だけを扱っている場合の広告評価に適しています。
Webサイト上で物を売るケースとWebサイトでサービスを提供した後に売り上げに繋がるケースでは、目標CPAの設定方法が異なります。適切に目標を設定することで、広告評価を適切に行えます。
計算式
CPAは、広告費用÷コンバージョン数という計算式で求められます。このコンバージョン数には、Webサイト上での購入や申し込み、資料請求が該当します。
50万円の広告費をかけた時の申し込み数が200件だった場合、CPA=50万÷200=2,500円です。コンバージョンの価値と商品単価の差をCPAと比較することが、その広告が効果的かどうかを判断する材料になります。
ROAI・とROI・CPAを使い分けるポイント
ROASに似ている用語として、ROIとCPAを紹介しました。実際の広告評価において使い方を混同してしまうと、自分の知りたいものを適切に評価できず、広告改善に失敗してしまう危険性もあります。
ここでは、ROASとROI・CPAの使い分けを考える時のポイントを説明します。どれも重要な指標のため、使い分けることがポイントです。マーケティング評価の参考にしてください。
売り上げ・利益に直接関わる場合はROAS・ROI
ROASとROIの共通点は、どちらも広告への投資を用いてその効果を評価しているところです。
ROASがその広告による売り上げを使って費用対効果を示すのに対し、ROIは広告による利益を使います。ROASが100%以上でもROIが100%に達していない時は赤字の可能性があるため、評価の際は両方を使うと良いでしょう。
売り上げに直接関わらない場合はCPA
CPAはWebサイト上でのコンバージョン達成にかかる費用を示します。サイト上で購入まで達成されないサービス等の場合、サイトで直接の売り上げはありません。CPAは売り上げに関わらない広告の評価も行います。
サイト上で資料請求や申し込みをコンバージョンを見る時はCPAの計算式を使うことが適しています。
ROASの計算式から読み取れることを理解しよう
ROASは売り上げをベースにして広告を評価する指標です。ROASから読み取れることとそうでないことがあるため、計算式の特徴をしっかりと理解して使えるようになりましょう。
また、ROIやCPAといった評価指標とも混同しやすいため注意が必要です。場合によって適切に使い分け、組み合わせて評価することで、より詳しく分析し改善に繋げられます。ぜひ広告運用の参考にしてください。