ROASの目安はどう見る?数値を改善するためのポイント8つや計算式について
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ROASの目安はどう見る?数値を改善するためのポイント8つや計算式について

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ROASの目安はどう見る?数値を改善するためのポイント8つや計算式について

記載されている内容は2021年08月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年08月25日

更新日:2022年03月03日

ROASは何なのか分からず、どう活用すればいいのか悩んでいる人は多いことでしょう。ここでは基本的なROASの概要、計算方法、そして活用しやすいツールを紹介していきます。サイトでの広告効果がはっきりせず、どう対応していいか困っている方は参考にしてみてください。

ROASについて3つ

ROASとは「Return On Advertising Spend」の略で、広告運用費1円あたりの売上額を示しています。企業や個人が費やした広告の運用費に対して、どれだけ売上を出せたかを数値化するための指標です。

例えば、広告運用費100万円に対してROASが200%だと、100万円の広告費に対して売上が200万円ということになります。この場合、広告運用費1円あたりの売上額は2円です。

1:見るための計算式

ROASの計算方法は、売上÷広告運用費×100%です。200万円の売上を50万円の広告運用費で出した場合は、「200万円÷50万円×100%=400%」となり、1円あたり4円の売上ということになります。

1円当たりの売上額が高いということは、広告運用で得られている利益も多いということです。もし売上金額が低い場合は、広告運用費の見直しが必要となります。

2:利用する重要性

ROASを使うことで広告運用費をかけている分の採算が分かります。広告運用費の無駄を発見して、より利益の出やすい広告を出すことができるため、適切な形での広告運用がしやすくなります。

ROASによって、サイトをはじめとするオンラインメディアに掲載し続けている広告が企業の売上に繋がっているのかを判断できます。毎月費用をかけて出している広告は本当に利益になっているのか心配という方は、計算してみましょう。

3:注目される評価指数

広告運用によってどの程度の効果があるかは、評価指数を活用することで明白になります。広告運用は費用がかかる割に効果が出るまでに時間がかかり、どれくらい利益が出たのかも分かりにくいものです。

継続的に費やしている費用が無駄になっていないか、利益がどれくらいあるかの目安を評価指数で確認できます。

ROASとCPA・ROIとの違いについて

ROASのような広告効果を測る指標は他にもあります。

ここからはROAS以外の評価指数の種類と、ROASとの特徴の違いについて解説していきます。同じ広告効果を示す数値でも、内容が異なるため適切に使い分けましょう。

CPAとの違い

CPAとはCost Pet Acquisitionの略で、1件のコンバージョンを獲得するために使った費用のことをいいます。コンバージョンとは、自社サイトで得られた最終的な成果の目安のことです。CPAは、広告をサイト上に掲載することで得られた最終的な成果を数値化したものです。

CPAの計算方法は「広告費÷コンバージョン数(円/件)」で求めます。例えば1万円の広告費をかけて100件の最終的な成果を出せた場合は、「1000円÷100件=100円/件」ですから、100円をかけて1件の成果を出せたことが分かります。

ROASと違い数値が高いと無駄が多いことになるため、CPAを低くする対策が必要です。

ROIとの違い

ROIとはReturn On Inverstmentの略であり、投資に対する利益のことです。投資した広告費に対してどれだけの利益が得られたかの目安を表していて、ROASで求められる広告運用費の採算とは異なります。

計算の方法は「利益÷広告への投資額×100%」であり、100万円の広告で50%のROIなら、50万円の利益を出せたことになります。

「(平均利益単価×コンバージョン-広告費)×100%」で求めることができます。10万円の広告費で、平均利益単価が1000円の商品が20個売れた場合、「(1000円×20個-10万円)×100=-80%」となります。

ROIはプラスだと利益が出ていて、マイナスだと利益が出ていないため、損失が生まれていることを表しています。

ROASの目安はどう見るのか3つ

ROASは広告運用費に対する利益を数値化しますが、どんな目安として使えるのか疑問に感じている人も多いことでしょう。

ここからはROASの目安をどのように見るのか、どのように使うのかについて説明していきます。

1:損益分岐点を目安として見る

ROASは、利益分岐点を上回るかどうかを1つの目安としています。利益分岐点とは管理会計上の概念のひとつで、費用の金額と売上金額がちょうど等しくなる数値のことです。

ROASが200%以上でないと、粗利率を計算した時に広告運用費と売上金額が同等以上になりません。広告を出し続ければ出し続けるほど損をすることになりますから、ROASが200%以下の場合は広告について再検討しましょう。

2:目標の数値を決めて目安とするやり方

目標となるROASの数値を設定しておくことで、どれくらいのROAS数値が出るようにオンライン広告をすればいいのかが明白になります。

目標ROASの計算方法は「平均顧客単価÷(平均顧客単価-平均原価)×100%」です。

3:より良い広告作りができる

ROASの損益分岐点を目安とするために計算し、目標となるROASを導き出してオンライン広告を掲示することで、より良い広告作りができます。

利益になっているかの計算がしやすく、どれくらい利益を出せばいいのかも分かりやすいため、広告戦略が打ちやすくなります。

ROASの数値を改善するためのポイント8つ

ROASを改善するためには主に2つの方法があります。改善方法のうち、ひとつは売上を増やす方法であり、もうひとつは広告費を見直す方法です。

どちらを選ぶかは企業や個人事業主の判断によるところですが、損をしないように、慎重に対策を考えていきましょう。

1:現在のROASの数値を分析する

ROASの数値を改善するためには、現在の数値を把握することが大切です。現状のROASの数値がマイナスなのか、プラスなのかを確認しましょう。

今広告にどれだけの費用をかけていて、その結果どれくらいの利益が上がっているのかを知らないで広告費の改善を行うと、予想とまったく違った結果になってしまいます。

広告に対する利益の目安を把握した上でROASの改善方法を検討し、これからの広告運用に生かしましょう。

2:広告の予算配分を見直す

広告費1円あたりの購入に繋がる割合がマイナスだった場合、広告費を節約しておいた方がいいでしょう。しかし企業が広告を出すには一定の費用がかかるため、広告費を減らすと売上も減ることに繋がります。

企業が継続して費やす広告費の改善は必要ですが、ただ減らすだけでは購入率低下に繋がる可能性があるので、ほどよく調節しましょう。

3:客単価を上げる

客単価とは、ひとりの顧客がサービスや商品を購入する総額のことです。顧客ひとりが購入する金額を増やせれば、企業の利益は上がります。コンバージョンの数を増やす必要がないですが、商品やサービスそのものの売り出し方の見直しが必要となります。

具体的な方法はまとめ買いを促進する、関連商品を自動でサイト上に表示する、人気商品の上位グレード商品を勧めるなどです。

4:CVRを高め適切なターゲティングを行う

CVRを高め適切なターゲティングを行う方法もあります。CVRとはコンバージョンレートの略で、Webサイトへアクセスした人のうち、どれくらいの人がコンバージョンに至ったかを示す数値です。

どれくらいの人がコンバージョンに至ったかを確認し、それを基に勝負する市場を選びます。

5:リピート率をアップさせる

サブスクリプションサービスが登場した今、リピート率はとても重要視されます。リピート率が上がればROASも上がるため、企業全体の売上が上がる結果となります。

リピート率を上げるためには顧客データの分析を行い、どんな年齢層にどんな商品やサービスが受け入れられているのか、どの価格帯が一番売上が高いのかなどを把握しましょう。

その上でリピートを促す仕組みを作ったり、定期的な購入を促進したりします。

6:広告内容を改善する

広告内容が、今自社が発売している商品やサービスと合致しているかを確認することも重要です。広告の内容を見直し、商品の利点や用途を分かりやすく説明できているか、確認しましょう。

魅力的なこと、商品やサービス内容が理解しやすいこと、この2つの要点を満たしている広告が理想的です。

7:キーワードを改善する

広告は掲載している媒体やクリエイティブ、キーワードごとにROASを算出します。広告に使用されているキーワードは、検索した時に入力するものと同じか関連キーワードにすると購入に繋がりやすくなります。

キーワードごとにROASを計算し、広告内容とズレがある場合は本当に合致しているキーワードに変更しましょう。

8:試行錯誤を繰り返し行う

これまでに紹介してきた改善策を並行して行いながら、定期的にどのような結果が出ているかを分析しましょう。

継続して結果検証を行うことで、費用対策ができます。改善対策も考えやすくなり、コストを調節しながら企業にとってちょうどいい広告を出す体制が整います。

ROASの改善に便利なツール3つ

ROASを1から自力でやろうとすると、とても手間がかかってしまいます。ROAS改善に最適なツールを使うと、問題なく対策が実行できます。ここからはROAS改善に適しているツールを3つ紹介していきましょう。

1:アクセス解析

サイトに訪れるユーザーの性別や年齢層などの属性、アクセスに使っているデバイス・ネット環境、ユーザーがどういった経緯でサイトにアクセスしたか、コンバージョンなど、あらゆる経緯を記録し分析するツールです。

アクセス解析ツールはGoogle Analytics、Google Search Consoleなどです。

2:Web接客

ポップアップやチャットボットなどの機能を使って、サイトに訪問する人に最適なオンライン接客を実現するためのツールです。

AI技術が導入されたり、ユーザーからの問い合わせにすぐに対応できるようになっていたりと、年々進化しています。ユーザーからの問い合わせに柔軟に対応できるサイトにするために必要なツールです。

3:A/Bテスト

デザインやテキストが異なる2パターンのWebページを用意して、効果を比較することができるツールです。

離脱率が低いサイトに改装したい場合や購入率がより高くなるサイトを作りたい場合、A案とB案を実際に試して比べられます。そのため、サイトリニューアル後に失敗するのを防げます。

ROAS改善にチャットボットを採用した事例3つ

ROAS改善をするためにチャットボットを採用した企業は多くあります。その中でも特に利益が上がった実例を3つ紹介していきます。

チャットボットとはコンピュータと会話しているようなやりとりができるプログラムのことで、消費者が知りたい情報を企業サイトが提供できるようにサイトを改善します。

ここからは、ROAS改善にチャットボットを採用した実例を3つ紹介していきましょう。

1:CVRが140%改善した企業の事例

福岡県にある株式会社クロコスが販売しているSiro jamというハンドクリームの広告は、芸能人を広告塔に起用してCVRが140%改善しました。広告塔の出演料が高くなったため広告に費やす費用は上がりましたが、利益も上がったため企業にとってプラスとなりました。

広告塔だけではなく商品の販売価格も改善し、初回限定で送料無料、68%OFFとなっています。広告に費用をかけ、消費者が購入しやすい販売体制にすることで全体の利益が上がった事例です。

2:CVRが150%改善した企業の事例

fromCOCOROの化粧品やサプリメントの広告は、公式サイト全体を商品の説明に当てることで、オンラインで詳細まで確認できるようになっています。

効能を明記するだけではなく、パッケージ裏の画像を掲載することで原材料や注意事項などもオンラインで分かるため、通販で買いやすいのが特徴です。

広告塔にお金をかけるのではなく、サイト全体を広告にすることで消費者が欲しい情報をオンラインで確認できるようになっているため、購買率が上がりました。

3:CVRが200%改善した企業の事例

新宿区にある株式会社レッドビジョン(RED Vision,inc.)は、医療部外品や化粧品、健康食品の販売を行っています。公式サイトで商品の安全性や事業としての今後の取り組み、会社概要などを確認できるため、企業そのものを信頼しやすいのが特徴です。

商品の広告に力を入れるというよりも、企業全体の広告に力を入れることで、主要商品だけが売れるということになりにくいです。

商品の広告だとその商品が時代遅れになったり、販売が終了したりすると企業の売上が一気に落ちてしまいます。サイトを企業そのものの広告とすることで、企業に対する信頼度が上がり全体的な利益に繋がります。

ROASの目安や重要性を理解して広告を出そう

ROASを改善するためにはチャットボットなどを導入する方法があります。しかし、まずはROASの計算方法を知り、広告費の現状把握や見直しをしていくことが大切です。

今現在、企業はどれくらい広告にお金を使っているか、どれくらいの予算がちょうどよいのか、どんな改善が必要なのかなどの目安にしましょう。

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