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また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
初回公開日:2026年10月15日
更新日:2026年10月15日
※本記事には広告・プロモーションが含まれます
建設業の資金調達で、材料費や外注費の支払日までに工事代金が入らず、お悩みではありませんか。
支払日に間に合わない方法を選ぶと、申し込んだあとで別の方法を探し直すことになります。
この記事では、銀行や公庫の事業資金、工事代金の売却(ファクタリング)、元請向けの公的制度を比べて解説します。
建設業の資金調達方法の比較
方法は、工事が公共か民間か、自社が元請か下請か、制度の対象条件に合うかの順に確認すると絞れます。
請求書の有無だけで使える方法を決めると、銀行や公庫への相談、発注者との支払条件の交渉を見落とします。
工期が長い工事や、完成後に代金が支払われる工事は、代金が入る時期を入金予定に書き入れましょう。
| 方法 | 使える条件 | 資金を受け取るまでの手続き |
|---|---|---|
| 銀行や信用金庫の事業資金 | 資金の使い道と返済計画を説明し、金融機関の審査を受ける | 相談、資料提出、審査、契約。日数は金融機関ごとに異なる |
| 日本政策金融公庫 | 対象となる資金制度の事業・使い道などの条件を満たす | 申込み、面談・審査、契約、送金 |
| 信用保証協会の保証を付ける資金 | 所在地、企業規模、許認可などの条件を満たす | 銀行と信用保証協会の手続きを経て契約 |
| 事業者向けの貸付 | 事業実態、返済能力などの商品ごとの審査条件を満たす | 審査、契約後に入金。最短即日の例でも当日入金は確約されない |
| 着手金 | 発注者や元請と支払条件を合意する | 合意した請求・支払時期に受領 |
| 工事の進み具合に応じた分割払い | 工事の区切りや毎月の支払いを契約で決める | 契約に沿って工事の進み具合などを確認し、請求・支払 |
| ファクタリング | 売却できる工事代金の売掛金(入金待ちの代金)があり、契約先の審査条件を満たす | 売掛金の審査、契約後に手数料などを引いた金額を受領 |
| 手形の期日前の現金化 | 受け取った手形(代金を後日に払う約束の書類)や電子記録された債権が金融機関の受付条件を満たす | 金融機関の事前審査、利用申込み、割引(期日前の現金化)の手続き |
| 下請向けの債権買取制度 | 下請建設企業や資材業者が元請に持つ金額の確定した債権(代金を受け取る権利)で、取扱会社の条件を満たす | 資料提出、審査、買取契約。保証料や買取手数料に助成あり |
| 公共工事の前払金 | 発注者の契約に前払いの定めがあり、前払金保証(工事が続けられなくなったときの備え)を付ける | 保証の申込み、発注者への請求、支払手続き |
| 公共工事の中間前払金 | 当初前払済み、工期・進み具合などの要件を満たし、発注者が認定する | 発注者の認定後に保証を付けて請求 |
| 工事の進み具合に応じた元請向け資金 | 対象工事を受注した中小・中堅元請で、発注者の制度導入や承諾などがある | 工事の進み具合の査定、債権譲渡(代金を受け取る権利を移すこと)の承諾、契約 |
- 公共工事の元請:契約の前払いの定めと、発注者の制度を確認しましょう
- 民間工事の下請で請求額と支払日が確定している:工事代金の売却や下請向けの制度を相談しましょう
- 公共工事の下請:元請への請求額が確定していれば、工事代金の売却や下請向けの制度を相談しましょう
- 請求額がまだ確定していない:銀行・公庫への相談や、支払条件の交渉を検討しましょう
民間工事の元請も、公共性のある工事なら公的制度の対象になる場合があるため、発注者に問い合わせましょう。
おすすめのファクタリングサービス
工事代金を売る方法(ファクタリング)は、手元にある書類によって、相談先が変わります。
請求書がある入金待ちの工事代金は、請求書で売却を相談しましょう。
着工前で請求書がない場合は、注文書の買取に対応している会社へ相談しましょう。
| サービス | 相談できる工事代金 | 対象となる事業者 |
|---|---|---|
| アクセルファクター | 請求書がある工事代金/注文書による相談もあり | 法人・個人事業主(注文書は会社へ問い合わせ) |
| PMG | 請求書・注文書がある工事代金 | 法人(個人事業主は会社へ問い合わせ) |
| QuQuMo | 請求書があり、請求金額と入金日が確定した工事代金 | 法人・個人事業主 |
| ベストファクター | 請求書がある工事代金/注文書・受注書の買取にも対応 | 法人・個人事業主 |
| ビートレーディング | 請求書・注文書がある工事代金 | 法人・個人事業主 |
| 日本中小企業金融サポート機構 | 請求書がある工事代金 | 法人・個人事業主 |
| FACTOR⁺U | 請求書がある工事代金 | 法人・個人事業主 |
| けんせつくん | 請求書・注文書がある工事代金 | 法人・個人事業主 |
| 土建くん | 請求書・注文書・請書(工事を引き受けたことを伝える書類)がある工事代金 | 法人・個人事業主・一人親方 |
| 建設Pay | 請求書・注文書がある工事代金 | 法人・個人事業主 |
注文書で相談するときは、注文書のほかに、身分証明書や通帳などの書類も必要です。
手数料率の下限や最短の時間は、条件がそろった場合の数字です。
見積りは、下限より高くなる場合があります。
アクセルファクター
| 会社 | 株式会社アクセルファクター |
|---|---|
| 手数料率 | 0.5%〜(方式や審査結果で変わる) |
| 入金スピード | 最短2時間(審査結果や申込時間による) |
| 買取限度額 | 30万円〜3億円 |
| 取引先への通知 | 2社間ファクタリング(不要)/3社間ファクタリング(必要)どちらも対応 |
| 必要書類 | 請求書・通帳のコピー・身分証明書 |
アクセルファクターは、ファクタリングのほかに、資金調達先の選定や助成金・補助金の紹介にも対応している会社です。
契約は、オンライン、来店、訪問から選べます。
電話での相談は、平日の10時から18時30分に受け付けています。
\手数料1%〜・最短即日で入金/
アクセルファクターで請求書を最短即日で資金化するPMG
| 会社 | ピーエムジー株式会社 |
|---|---|
| 手数料率 | 2%〜(売掛先(工事代金を支払う相手)の信用力・金額・契約形態で個別に見積り) |
| 入金スピード | 最短2時間(必要書類がそろっている場合)/平均は3日ほど |
| 買取限度額 | 上限なし(買取額は審査による) |
| 取引先への通知 | 2社間ファクタリング(不要)/3社間ファクタリング(必要)どちらも対応 |
| 必要書類 | 請求書・入出金が確認できる通帳のコピー・決算書など(案件により異なる) |
PMGは、元請から下請、孫請けへと支払いが続く建設業の、請求書と注文書を買い取ってくれる会社です。
法人向けのサービスで、個人事業主の利用は申込み前に会社へ問い合わせましょう。
グループ会社のPMG Partnersで、金融機関からの資金調達の相談も受けられます。
対面を希望する場合は、東京・大阪・福岡などの拠点の担当者が対応します。
\手数料2%〜・最短2時間で入金/
PMGで請求書を最短2時間で資金化するQuQuMo
| 会社 | 株式会社アクティブサポート |
|---|---|
| 手数料率 | 1%〜(審査結果による) |
| 入金スピード | 最短2時間(必要書類がそろっている場合) |
| 買取限度額 | 上限なし(買取額は審査による) |
| 取引先への通知 | 不要(2社間ファクタリングのみ・法務局への債権譲渡の登記もなし) |
| 必要書類 | 代表者の本人確認書類・全銀行口座の入出金明細(直近3か月分)・請求書(個人事業主は開業届または税務署に出した決算の書類一式・健康保険証も) |
QuQuMoは、申込みから契約まで電子契約で完結する、オンラインの売掛金買取サービスです。
銀行からの借入がある会社も、売掛金があれば利用できます。
面談はなく、状況によっては電話で簡単な聞き取りがあります。
対象は、入金日より前の請求書です。
ベストファクター
| 会社 | 株式会社アレシア |
|---|---|
| 手数料率 | 2%〜(買取金額と2社間ファクタリング/3社間ファクタリングで変わる) |
| 入金スピード | 2社間ファクタリングは最短6時間、3社間ファクタリングは数日〜1週間程度が目安(必要書類がそろっている場合) |
| 買取限度額 | 10万円〜1億円超 |
| 取引先への通知 | 2社間ファクタリング(不要)/3社間ファクタリング(必要)どちらも対応(個人事業主は2社間ファクタリング) |
| 必要書類 | 本人確認書類・入出金の通帳・請求書などの取引書類(契約時は納税証明書・印鑑証明書・登記簿謄本) |
ベストファクターは、10万円から1億円超まで、幅広い金額に対応しているファクタリング会社です。
請求書よりも早い段階で発行される、注文書や受注書の買取にも対応しています。
手数料の範囲は、買取金額が大きいほど低くなります。
2社間ファクタリングは、100万円未満で5〜20%、1,000万円以上で2〜12%です。
対面で相談する場合の訪問の交通費は、手数料に含まれます。
\手数料2%〜・最短即日で入金/
ベストファクターで請求書を最短即日で資金化するビートレーディング
| 会社 | 株式会社ビートレーディング |
|---|---|
| 手数料率 | 同社の2024年度の平均は2社間ファクタリング10.3%・3社間ファクタリング6.8%(審査結果で変わる) |
| 入金スピード | 最短2時間(請求書で、担当者へ相談する窓口の場合)/契約が17時以降だと銀行により翌日に反映 |
| 買取限度額 | 上限なし(買取実績は1万円〜7億円/買取額は審査による) |
| 取引先への通知 | 2社間ファクタリング(不要)/3社間ファクタリング(原則必要)どちらも対応 |
| 必要書類 | 売掛金に関する書類(請求書など)・口座の入出金明細(2か月分) |
ビートレーディングは、東京のほか仙台・名古屋・大阪・福岡に拠点があり、全国から相談できるファクタリング会社です。
取引実績は9.1万社以上です(2026年3月時点)。
注文書を使う場合は、契約後の振込みが最短翌日で、書類は注文書と口座の入出金明細(直近3か月分)です。
\手数料4%〜・最短2時間で入金/
ビートレーディングで請求書を最短2時間で資金化する日本中小企業金融サポート機構
| 会社 | 一般社団法人 日本中小企業金融サポート機構 |
|---|---|
| 手数料率 | 1.5%〜 |
| 入金スピード | 審査結果は最短30分/振込みは申込みから最短3時間 |
| 買取限度額 | 上限なし(買取実績は1万円〜2億円/買取額は審査による) |
| 取引先への通知 | 2社間ファクタリング(不要)/3社間ファクタリング(必要)どちらも対応 |
| 必要書類 | 口座の入出金履歴(直近3か月分)・売掛金に関する書類(請求書・契約書など) |
日本中小企業金融サポート機構は、専属のスタッフに相談して進める、一般社団法人のファクタリングサービスです。
対象は、工事がすでに完了して、入金待ちになっている売掛金です。
契約は、非対面、対面、郵送から選べます。
融資の審査中のつなぎ資金としても利用できます。
FACTOR⁺U
| 会社 | 一般社団法人 日本中小企業金融サポート機構(FACTOR⁺U運営) |
|---|---|
| 手数料率 | 1.5%〜 |
| 入金スピード | 最短40分(申請から入金まで)/契約が17時以降だと銀行により翌営業日に反映 |
| 買取限度額 | 上限なし(買取額は審査による) |
| 取引先への通知 | 売掛先からの入金後に、利用者がFACTOR⁺Uへ支払う方式(売掛先への通知は会社へ問い合わせ) |
| 必要書類 | 口座の入出金履歴(直近3か月分)・売掛金に関する資料(請求書・契約書など)/登録時に代表者の身分証 |
FACTOR⁺Uは、請求書と通帳をアップロードして申し込む、オンライン完結のファクタリングサービスです。
登録費用とシステム利用料は不要で、審査結果は最短10分でマイページから確認できます。
審査に通った後は、メールで届く書類を確認して、オンラインで契約します。
申請は24時間受け付けており、営業時間外の申請は翌営業日に対応します。
けんせつくん
| 会社 | 株式会社ウィット(けんせつくん運営) |
|---|---|
| 手数料率 | 2%〜(審査結果による) |
| 入金スピード | 審査開始から最短2時間(銀行の営業時間外は翌営業日) |
| 買取限度額 | 会社へ問い合わせ |
| 取引先への通知 | 会社へ問い合わせ |
| 必要書類 | 注文書または請求書(ほかの書類は会社へ問い合わせ) |
けんせつくんは、建設業界の経験者が対応している、建設業専門のファクタリングサービスです。
請求書のほかに、受注したときの注文書でも調達できます。
申込みはフォームかLINEで、スマホから全国で利用できます。
開業して間もない会社や、銀行融資を受けている会社も利用できます。
土建くん
| 会社 | 株式会社ワイズコーポレーション |
|---|---|
| 手数料率 | 1.8%〜(売掛先の信用・金額・方式などで変わる) |
| 入金スピード | 最短即日(審査結果による/審査は早ければ30分程度) |
| 買取限度額 | 会社へ問い合わせ |
| 取引先への通知 | 2社間ファクタリング(通知なしで進められる)/3社間ファクタリング(通知・承諾あり)どちらも対応 |
| 必要書類 | 請求書または準ずる書類・通帳のコピー(過去3か月分)・本人確認書類・決算書(個人事業主は税務署に出した決算の書類)の直近2期分/必要に応じて会社謄本・印鑑証明書・納税証明書 |
土建くんは、一人親方や、電気・内装・設備・解体・とび土工の会社が相談できる、建設業専門の請求書買取サービスです。
審査では、工事が進んだ分の内訳や工事の写真から、進み具合を見ます。
発注者が工事の出来を確認して受け取ったかも、書類で確認します。
受付は、電話が平日の9時から19時、LINEが24時間です。
建設Pay
| 会社 | 株式会社DMC |
|---|---|
| 手数料率 | 1%〜 |
| 入金スピード | 契約完了後、最短1時間(時刻や混雑によっては翌日) |
| 買取限度額 | 最大1億円 |
| 取引先への通知 | 2社間ファクタリング(不要)/3社間ファクタリング(必要)どちらも対応 |
| 必要書類 | 請求書または発注書・代表者の身分証明書・預金通帳(指定期間のコピー) |
建設Payは、面談をビデオ通話で行い、来店せずに全国から申し込める、建設業専門のファクタリングサービスです。
工事の着手前に発行される注文書だけで、契約できます。
開業したばかりの会社も、利用できます。
他社に売却済みではない売掛金なら、他社のファクタリングを利用中でも契約できます。
建設業の資金調達|工事代金の売却以外の方法
- 銀行や信用金庫の審査では工事の受注内容も確認される
- 日本政策金融公庫は創業後の運転資金にも利用できる
- 信用保証協会の保証を付けると保証料もかかる
- 事業者向けの貸付は短期の運転資金にも使える
- 着手金を受け取れば着工前の持ち出しを減らせる
- 分割払いを決めれば施工中の支払いに充てられる
銀行や信用金庫の審査では工事の受注内容も確認される
信用保証協会の保証を付ける資金では、事業計画書と資金繰り表(入出金の予定を並べた表)を銀行に提出します。
受注した工事がわかる見積書や契約書も、求める銀行があります。
資金の使い道は、運転資金と設備資金に分けて相談しましょう。
運転資金は、材料費・外注費・人件費など日々の支払いに使うお金、設備資金は、重機や車両を買うお金です。
1つの工事の入金待ちとは分けて、使う目的、必要な期間、返済の見込みを整理して伝えましょう。
銀行融資は、借りたお金を返済する契約です。
支払日を伝えて、実行までに間に合うかを窓口へ聞きましょう。
日本政策金融公庫は創業後の運転資金にも利用できる
日本政策金融公庫の国民生活事業は、個人企業や小規模企業向けの小口資金が中心で、短期の運転資金も取り扱っています。
創業向けの新規開業・スタートアップ支援資金は、設備資金と運転資金の両方に使え、借りられる上限は7,200万円です。
対象は、新たに事業を始める方や、事業開始後おおむね7年以内の方などです。
公庫の資金は、信用保証協会の保証を付けずに借りられます。
申込み、面談と審査、契約、送金の順に進みます。
申込みはインターネットでもでき、事業を営む所在地を担当する支店が窓口になります。
- 創業計画書または企業概要書
- 直近2期分の決算書と、税務署に出した書類
- 代表者の本人確認書類
- 必要な許認可の資料
- 送金先の口座がわかるもの
税務署に書類を出したのが1期だけの場合は、1期分を用意しましょう。
まだ税務署に書類を出していない場合は、提出は不要です。
申込みから送金までの日数は案件ごとに異なるため、支払日までに間に合うかを支店に確認しましょう。
信用保証協会の保証を付けると保証料もかかる
保証料は、銀行へ払う利息とは別に、信用保証協会へ支払います。
保証料の料率は、経営状況に応じた区分で決まります。
審査は、銀行と信用保証協会の2つで行います。
審査にかかる時間は、3か月程度が目安の銀行もあります。
対象は、所在地・企業規模・業種・許認可などの条件を満たす中小企業や小規模事業者です。
使い道は、運転資金と設備資金です。
返済できなくなったときは、信用保証協会が銀行へ代わりに払います。
借りた会社の返済義務はなくならず、あとで信用保証協会へ返済します。
保証料の料率と審査の期間は、申込み前に銀行へ聞きましょう。
事業者向けの貸付は短期の運転資金にも使える
事業者向けの貸付はビジネスローンとも呼ばれ、工事代金を売るファクタリングとは区別されます。
| 返済の方法 | 内容 |
|---|---|
| 毎月返済 | 毎月、元金と利息を返す |
| 満期一括 | 返済までの期間を短く決めて、満期に元金を一括で返す |
負担になるのは、利息のほか、印紙代などの契約費用です。
契約前に、受け取る金額と返済の総額を、窓口で出してもらいましょう。
着手金を受け取れば着工前の持ち出しを減らせる
着手金は、発注者や元請と契約で決める支払いです。
受注前の見積りや契約の段階で、材料費や外注費の支払日を伝えて、着手金の支払いを提案しましょう。
契約済みの支払時期は、後から一方的には変えられません。
- 着手金の金額と支払日
- 完成後の代金から差し引く扱い
- 工事の内容と工期
着手金は工事代金の一部を先に受け取るもので、借りたお金ではなく、利息はつきません。
分割払いを決めれば施工中の支払いに充てられる
建設業の支払条件には、着工時・中間時・完成後に分けて払う方法があります。
毎月の出来高(工事が進んだ分)に応じて払う方法もあります。
新しい工事の契約や見積りの段階で、発注者や元請へ分割払いを提案しましょう。
材料費や外注費の支払日に近い区切りで受け取れる契約にすると、施工中の支払いに充てやすくなります。
建設業の資金調達に使える工事代金の現金化
入金期日の前に工事代金を資金へ変える方法は、売る相手と対象によって契約の内容が違います。
- ファクタリングは入金待ちの工事代金を売却する
- 手形を期日前に現金化できるかは金融機関の判断による
- 下請の工事代金の売却には手数料助成の制度がある
ファクタリングは入金待ちの工事代金を売却する
ファクタリングは、入金待ちの工事代金(売掛金)を買取会社へ売る契約で、借りたお金を返す契約とは違います(金融庁・ファクタリングの利用に関する注意喚起)。
ただし、契約書に売買と書いてあっても、実態が貸付と同じ働きをする取引は、貸金業に当たるおそれがあります。
- 受け取る金額が、代金の額面に比べて著しく低い
- 代金の回収を売った側に任せる契約で、売掛先(工事代金を支払う相手)が支払えなかったときに、売った側が買い戻す
- 代金の回収を売った側に任せる契約で、売掛先が支払えなかったときに、売った側が自社の資金で支払う
貸金業の登録の有無は、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで調べられます。
買取の対象は、会社ごとに決まります。
発注者が工事の出来を確認して受け取り、金額が確定した工事代金だけを対象にする会社もあります。
売掛先を国内法人に限る会社もあります。
給与を受け取る権利や、すでに回収が難しい代金などを、買取の対象外にしている会社があります。
売掛先が個人や個人事業主の工事代金を、対象外にしている会社もあります。
契約書で、手数料以外の費用がかからないかを見ておきましょう。
必要な資料は、請求書・取引の履歴がわかる通帳・工事契約書などで、買取会社ごとに異なります。
受注段階の注文書は、売掛金がまだ発生していないため、請求書の売却とは審査の見方が違います。
元請との契約書で、債権の譲渡が禁止されていないかも、売却の前に確認しましょう。
| 契約の種類 | 契約する人 | 売掛先の承諾 |
|---|---|---|
| 2社間ファクタリング | 自社と買取会社の2者 | 不要 |
| 3社間ファクタリング | 自社・買取会社・売掛先の3者 | 必要 |
3社間ファクタリングは、手数料を抑えやすい一方、承諾を得る手続きに日数がかかります。
発注者や元請に知られたくない場合や、支払日が近い場合は、2社間ファクタリングを選びましょう。
手形を期日前に現金化できるかは金融機関の判断による
手形は、代金を後日に支払う約束を書いた書類で、紙の手形のほか、手形に代わる電子記録債権(でんさい)があります。
割引は、期日前に割引料を引かれた金額を受け取って、現金にすることです。
電子記録債権の割引は、金融機関が独自に提供するサービスで、提供の有無や条件は金融機関ごとに異なります。
電子記録債権の割引を使う前に、利用申込みと事前の審査が必要な銀行もあります。
- 紙の手形か、電子記録債権か
- 割引の受付と事前審査の条件
- 割引料
- 必要な資料
- 手形が支払われなかった場合の負担
費用や日数は金融機関ごとに異なるため、手形の取引がある銀行へ直接聞きましょう。
下請の工事代金の売却には手数料助成の制度がある
下請債権保全支援事業の対象は、下請建設企業や資材業者が元請に持つ、金額が確定している個別の債権(手形を含む)です。
保証料や買取手数料には、国の助成があります。
事業の期限は、2027年3月末までです。
| 事業の種類 | 内容 | 資金を受け取る時期 |
|---|---|---|
| 債権の支払保証 | 取引先の倒産などで債権が回収できなくなったとき、保証金が支払われる | 回収できなくなったとき |
| 債権の買取 | 金額が確定している個別の債権を買い取る | 売買が成立したあと |
窓口は事業の取扱会社で、資料の提出、審査、契約の順に進みます。
建設業の資金調達に使える元請向けの公的制度
対象の工事を元請で受注した場合は、公的な前払いや担保の制度を使える場合があります。
使えるかどうかは、発注者の契約条件や制度の導入状況で決まります。
| 制度 | 工事の進み具合と前払金の状況 | 必要な手続き |
|---|---|---|
| 公共工事の前払金 | 着工前/契約に前払いの定めがある | 前払金保証を付けて、発注者へ請求する |
| 公共工事の中間前払金 | 工期の半ばで、当初の前払金を受け取り済み | 発注者の認定を受けてから、保証を付けて請求する |
| 工事代金を担保にする制度 | 出来高から、受け取り済みの前払金などを差し引いた範囲 | 発注者が制度を導入し、債権譲渡を承諾している |
- 公共工事の前払金は保証を付けて請求する
- 公共工事の中間前払金は発注者の認定後に請求する
- 工事代金を担保にする制度は元請が申し込む
公共工事の前払金は保証を付けて請求する
前払金は、資材の購入や労働者の確保など、着工の資金にするため、請負代金の一定の割合を前払いするものです。
関東地方整備局が発注する工事では、割合は請負代金の40%です。
地方公共団体によっては、支払いの限度額を設けています。
前払金は工事代金の一部を先に受け取る仕組みで、借りたお金ではありません。
発注者との契約に前払いの定めがある工事で、保証事業会社の前払金保証を付けて請求します。
保証事業会社は、工事を続けられなくなったときに、発注者が支払った前払金を保証します。
費用は前払金保証料です。
資料は、前払金使途内訳明細書と、支払先がわかる書類などです。
直用労務費(自社の作業員の人件費)や保証料などに使う場合は、支払先がわかる書類は不要です。
- 下請代金
- 材料代金
- 直用労務費
- 機械器具の賃借料
- 前払金保証料や労災保険料
前払金の使い道は、対象の工事の経費に限られます。
公共工事の中間前払金は発注者の認定後に請求する
中間前払金は、当初の前払金に加えて、工期の半ばで追加して支払う前払いです。
関東地方整備局が発注する工事では、請負代金の2割です。
契約書に中間前払金の定めがあり、要件を満たすと、発注者の認定を受けて請求できます。
認定を受けるまでは入金されないため、要件がそろったら早めに発注者へ申請しましょう。
- 当初の前払金が支出されていること
- 工期の2分の1を過ぎていること
- 工期の2分の1までに実施する作業が行われていること
- 工事の出来高が請負金額の2分の1以上に達していること
資料は、保証の申込書、要件を満たしていることを発注者が証明する書類、前払金使途内訳明細書です。
費用は中間前払金保証料です。
工事代金を担保にする制度は元請が申し込む
地域建設業経営強化融資制度は、工事代金を担保にして借りる制度で、一般のファクタリングとは契約が違います(国土交通省・地域建設業経営強化融資制度)。
利用できるのは、資本金20億円以下または従業員1,500人以下で、対象工事を受注した元請の建設企業です。
対象は、公共工事などと、公共性のある一部の民間工事です。
どちらも、発注者が債権譲渡を認めて、制度を導入している必要があります。
債権譲渡とは、工事代金を受け取る権利を、取扱事業者へ移すことです。
借りられる金額の計算は、取扱事業者によって異なります。
通常は、出来高の分の工事代金から、受け取り済みの前払金などを差し引いた額が、計算のもとになります。
出来高を超える部分は、保証事業会社の保証により、金融機関から借りられる場合があります。
工事の完成後は、発注者が支払う代金が、借りた資金の返済に充てられます。
制度の期限は、2031年3月末です。
実行までの期間と費用、必要な資料は、取扱事業者ごとに異なるため、申込み前に取扱事業者へ問い合わせましょう。
建設業の資金調達方法の選び方
- 審査から送金までが支払期限に間に合う方法を選ぶ
- 手数料を引いた後の受取額が支払いに足りるか比べる
- 同じ金額と期間で資金調達にかかる費用を比べる
- 調達後も次の支払いに資金が足りるか確認する
審査から送金までが支払期限に間に合う方法を選ぶ
審査から送金までの日数は、発注者の承諾や認定、信用保証協会の審査、申込みの時間帯で変わります。
- 支払期限と不足額を決める
- 申込先ごとに、審査・承諾・契約・送金の日数を聞く
- 最短の時間が、どの条件で成り立つかを確認する
- 日数が足りない方法を外す
最短の時間は、条件がそろった場合の時間です。
銀行や公庫、元請向けの公的制度は、当日の入金を前提にせず、支払期限までの日数で比べましょう。
手数料を引いた後の受取額が支払いに足りるか比べる
仮に、不足額が170万円で、費用は手数料だけ、手数料率は10%だとします。
| 項目 | 額面170万円で売る場合 | 額面189万円で売る場合 |
|---|---|---|
| 手数料(仮に10%) | 17万円 | 18.9万円 |
| 受け取る金額 | 153万円 | 170.1万円 |
| 不足額170万円に対して | 17万円不足 | 足りる |
実際の手数料率は見積りで決まるため、複数社の見積りを比べましょう。
受取額が170万円以上になるには、額面は約189万円(170万円÷0.9)が必要です。
支払日までに必要額を確保できるかは、額面ではなく受取額で判断しましょう。
同じ金額と期間で資金調達にかかる費用を比べる
売却の手数料は、金利とは別の、売る代金に対する割合です。
| 比べる項目 | 工事代金の売却 | 事業者向けの貸付や銀行の事業資金 |
|---|---|---|
| 費用の表し方 | 売る代金に対する割合で表す手数料 | 借りた金額に対する年率の利息 |
| 期間と費用の関係 | 入金予定日までが長い債権は、手数料が上がりやすい | 借りている期間が長いほど、利息が増える |
必要な金額と使う期間をそろえ、利息・手数料・保証料・印紙代などを足した総額で比べましょう。
調達後も次の支払いに資金が足りるか確認する
返済がある方法は、返済の日と金額を支払予定に入れましょう。
売却や着手金、分割払いで先に受け取った分は、後日の工事代金の満額の入金と重ねて数えないようにしましょう。
返済のいらない売却でも、売った工事代金は完成後に入りません。
手数料の分だけ、受け取れる総額も減ります。
調達した月だけでなく、返済や次の入金の減りを入れて、資金が足りなくなる日がないかを確認しましょう。
建設業の資金調達を申し込む前の準備
- 資金繰り表で支払日ごとの不足額を出す
- 工事契約書で資金の使い道を説明する
- 決算書や試算表で会社の状況を説明する
- 工事別の原価を計算して資金不足の原因を確認する
資金繰り表で支払日ごとの不足額を出す
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 預金残高 | 今日の預金の額 |
| 確定している入金 | 支払日より前に入る工事代金 |
| 材料費・外注費・人件費 | 工事ごとの支払日と金額 |
| 税金・既存の返済 | 納付日や返済日と金額 |
工事ごとの予定は、会社全体にまとめて、預金が足りなくなる日を探しましょう。
不足額は、支払いの合計から、預金と支払日までの確定入金を引いて求めます。
決算が黒字でも、支払いが先に出る工事では、預金が足りなくなる日があります。
資金繰り表では、3か月後くらいまでの預金残高を予測しましょう。
預金が足りなくなる日が見つかったら、支払日までに受け取れる方法を探しましょう。
工事契約書で資金の使い道を説明する
| 確認する項目 | 資金の使い道との関係 |
|---|---|
| 請負金額と工事の内容 | 材料費や外注費など、先に払う費用の規模 |
| 工期 | 支払いが続く期間 |
| 支払条件 | 入金の日と、分割払いなどの有無 |
完成から入金までの日数や、代金の一部を後日に支払う取り決め(保留金など)がある場合は、入金予定に入れましょう。
保留金の割合や期間は契約ごとに決まるため、実際の契約書で調べましょう。
必要な資料は申込先と方法で異なるため、申し込む前に窓口へ問い合わせましょう。
決算書や試算表で会社の状況を説明する
| 資料 | 説明すること |
|---|---|
| 決算書(個人事業主は税務署に出した決算の書類) | 直近の業績と、負債の状況 |
| 試算表 | 決算後の売上と費用の状況 |
| 通帳 | 入金の実績 |
| 許認可の資料 | 許可を受けて事業を営んでいること |
個人事業主は、税務署に出した決算の書類一式を使います。
信用保証制度では、許認可が必要な事業を営む場合、許認可を受けていることが必要です。
何期分の提出が必要かは、申込先ごとに異なるため、申込み前に確認しましょう。
工事別の原価を計算して資金不足の原因を確認する
工事ごとに、材料費・外注費・人件費・機械の費用と、入金日を並べて、資金が不足する原因を見ましょう。
| 資金が不足する原因 | 確認すること | 次に取る行動 |
|---|---|---|
| 入金待ち | 工事ごとの入金日と支払日のずれ | 支払日までに受け取れる方法を探す |
| 工事の赤字 | 工事別の原価と利益 | 原価と契約の条件を見直す 追加の資金だけでは解決しない |
| 資材の値上がり | 契約書にある価格の変更方法 | 契約に沿って、注文者と価格や支払条件を協議する |
工事ごとの原価を管理して利益率を高めることも、資金不足を防ぐ方法です。
資材価格が上がるおそれを知っている受注者は、契約の前に注文者へ通知する義務があります(国土交通省・価格転嫁)。
通知しておくと、値上がりしたあとで請負代金の変更を協議できます。
注文者が誠実に協議へ対応することは、民間の注文者では努力義務(努める義務)で、公共工事の発注者では義務です。
変更が認められるかどうかは協議で決まるため、契約書に価格の変更方法を書いておきましょう。
建設業の資金調達に関するよくある質問
方法を選んでも、個人事業主の申込みや審査、補助金、方法の併用で迷う場合があります。
個人事業主でも銀行や公庫に申し込めますか?
はい、個人事業主も、銀行や公庫に申し込めます。
法人化は一律の条件ではなく、選んだ制度の対象や事業の実態、必要な許認可、資料で判断されます。
公庫は個人事業主に、税務署に出した決算の書類一式を求め、信用保証制度も個人事業主を対象にしています。
銀行の審査に通らなかった場合も別の方法を検討できますか?
検討できます。
まず、否決の理由や足りなかった資料を、窓口で聞きましょう。
銀行は利用者の信用力を中心に見るのに対し、工事代金の売却では、売掛先の支払い能力を重く見る会社があります。
ただし、売却にも審査があり、確定した工事代金や売掛先の条件を満たす必要があります。
補助金は材料費の支払前に受け取れますか?
材料費の支払前に補助金を受け取るには、概算払(事業の終了前に先に受け取る方法)があります。
経済産業省の補助事業では、事業が終わったあとに支払う精算払が中心です。
概算払には、交付決定後の協議などの条件があります。
補助金ごとに支払方法が異なるため、対象事業の公募資料や担当窓口で確認しましょう。
複数の資金調達方法を組み合わせられますか?
方法によっては、組み合わせて使えます。
同じ工事代金をすでに売却している場合や、担保にしている場合は、同じ代金を別の方法で重ねて使えません。
出来高に応じた公的な制度では、すでに受け取った前払金などが、借りられる額の計算から差し引かれます。
申し込む前に、既存の契約や前払金の受領状況を、申込先へ伝えましょう。
建設業の資金調達のまとめ
建設業の資金調達は、工事の種類と自社の立場、工事代金が確定しているかで、相談できる方法が変わります。
候補の窓口には、支払日と不足額、受取額の見込みを書いた資料を持って、相談しましょう。
この記事でおすすめする3社は、以下の通りです。
| 会社 | 対象となる事業者 | 買取限度額 |
|---|---|---|
| アクセルファクター | 法人・個人事業主(注文書は会社へ問い合わせ) | 30万円〜3億円 |
| PMG | 法人(個人事業主は会社へ問い合わせ) | 上限なし(買取額は審査による) |
| QuQuMo | 法人・個人事業主 | 上限なし(買取額は審査による) |
※記事内の手数料率・入金スピード・買取限度額・必要書類は、2026年10月13日時点の内容です。
実際に利用できるかどうか、手数料、必要書類は、審査結果や申込内容で異なります。
制度の条件や期限は、各制度の公式サイトで確認しましょう。