SWOT分析の手法とクロスの組み合わせ|外部環境と内部環境の関係
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SWOT分析の手法とクロスの組み合わせ|外部環境と内部環境の関係

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SWOT分析の手法とクロスの組み合わせ|外部環境と内部環境の関係

記載されている内容は2021年08月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年08月25日

更新日:2022年03月03日

SWOT分析を行う場合、どのような手法を行えばよいのかわからない人も多いのではないでしょうか。本記事ではSWOT分析の概要やSWOT分析マトリックスのふたつの軸、クロスSWOT分析の組み合わせなどを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

SWOT分析とは?

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SWOT分析とは、企業が経営戦略を立てるために用いる「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」という4つの軸について分析するフレームワークです。

SWOT分析は自社の状況把握や経営戦略を立てるために用いられるもので、業種や業界を問わず活用されています。また、ビジネスに限らず個人での自己分析などにも用いられています。

SWOT分析の読み方

SWOT分析は「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の頭文字を取ったもので、「スウォット分析」と読みます。

SWOT分析を行う目的

SWOT分析は内部環境である強みと弱み、外部環境である機会と脅威をそれぞれ分析することで、業界での自社の現状を把握する目的で行われます。

また、自社の事業分析結果をもとに経営戦略を立てたり、新しいビジネスチャンスを発見したりすることもできるでしょう。

SWOT分析と3C分析の違い

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3C分析とは「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」という3つの要素を組み合わせて分析するフレームワークです。一方、SWOT分析では内外の4つの環境を俯瞰的に見るフレームワークとなっています。

どちらも自社の内外環境を分析するフレームワークですが、3C分析は顧客視点で自社の強みを明確にするもの、SWOT分析は企業視点で弱みや強みを把握し、戦略を検討できるようにするものという違いがあります。

SWOT分析マトリックスのふたつの軸

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SWOT分析のマトリックスでは、自社がコントロールできない「機会」と「脅威」という「外部要因」、自社でコントロール可能な「強み」と「弱み」という「内部要因」の縦軸によって分析を行います。また、マトリックスの横軸として「プラス要因」と「マイナス要因」があります。

ここではSWOT分析マトリックスにおける外部要因と内部要因について解説していきます。参考にしてみてください。

外部要因

自社ではコントロールできない外部要因とは、主にデモグラフィックや政治、法律、文化といったマクロ環境要因を指します。また、顧客や競合他社といったミクロ環境要因についても観察することが大切です。

SWOT分析の外部要因は、目標達成にプラスとなる「機会(Opportunity)」と、目標達成における障害となる「脅威(Threat)」の2つの要素です。ここでは外部要因についてそれぞれ解説していきます。

機会(Opportunity)

「機会(Opportunity)」は企業にとって目標達成にポジティブに働く外部環境の特質を指します。たとえば、自社にとってのビジネスチャンスとなる市場拡大や競争優位の可能性や、市場の変化に対する競合他社の動きなどが機会に該当します。

脅威(Threat)

「脅威(Threat)」は企業にとって目標達成にネガティブに働く外部環境のことを指します。たとえば、自社の強みを打ち消してしまうような環境の変化や、自社製品に競合する製品をリリースしている他社の動向などが脅威に該当します。

内部要因

自社でコントロール可能な内部要因とは、企業内部のことを指します。弱みであっても強みであっても、企業内部のことであれば工夫や努力次第でコントロールすることができます。

SWOT分析の内部要因は、目標達成にプラスとなる「強み(Strength)」と、目標達成における障害となる「弱み(Weakness)」の2つの要素です。ここでは内部要因についてそれぞれ解説していきます。

強み(Strength)

「強み(Strength)」は企業にとって目標達成にポジティブに働く内部環境のことを指します。たとえば、他社にはない技術力や蓄積されたノウハウ、特許、人脈、保有している施設などが強みに該当します。

強みを考える場合は、自社の製品やサービスを顧客に売り込む場合に使用できるようなセールストークをイメージすると良いでしょう。または、顧客に自社製品が選ばれている理由と置き換えても良いでしょう。

弱み(Weakness)

「弱み(Weakness)」は企業にとって目標達成にネガティブに働く内部環境のことを指します。たとえば、自社が苦手なことや競合他社にあって自社にはないもの、目標達成のために必要にもかかわらず現状では持っていないものなどが弱みに該当します。

弱みを考える際に当事者目線では見つけるのが難しい場合は、客観的な目線で自社の内部を捉えてみると良いでしょう。

クロスSWOT分析の組み合わせ

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クロスSWOT分析とは、外部要因と内部要因の特徴をそれぞれ掛け合わせることで戦略を立案する分析方法です。クロスSWOT分析を行うことで、項目ごとに自社が置かれている現状を把握することができるようになります。

クロスSWOT分析で立てた戦略は4つに分けられます。ここではクロスSWOT分析の組み合わせについて紹介していきます。参考にしてみてください。

強みと機会

「強みと機会」を組み合わせることにより、内部に持つ自社の強みを活用して機会を活かし、大きく成長するための積極的戦略を立案することができます。

強みと機会を活用することで、競合他社よりも優位に立てるような戦略を検討することができるでしょう。主に会社やビジネスの成長を目指す際に活用できる組み合わせです。

強みと脅威

「強みと脅威」を組み合わせることにより、内部に持つ自社の強みを活用して脅威を克服したり、脅威を機会として活かすための差別化戦略を立案したりすることができます。

業界に対する脅威も、強みを活かすことによってビジネスチャンスに変えることができます。強みと脅威の組み合わせで分析を行う際には、脅威を避けるだけでなく、競合と差別化することで脅威をビジネスチャンスに変えるという視点で議論を行うと良いでしょう。

弱みと機会

「弱みと機会」を組み合わせることにより、内部に持つ自社の弱みを克服しつつ、機会を活かす改善戦略を立案することができます。

機会があったとしても活かせなければ意味がないため、自社の弱みによって機会を逃さないようにするための段階的な戦略を検討します。弱みを補強し、機会を活かすためにはどうすべきかを具体的に検討するようにしましょう。

弱みと脅威

「弱みと脅威」を組み合わせることにより、内部に持つ自社の弱みと外部の脅威が重なった場合の自社への影響を最小限にするための防御・撤退戦略を立案します。

脅威の種類によってはビジネスが大打撃を受ける可能性もあるため、最悪の事態を招かないための防御策や撤退戦略について考えます。自社の弱みを理解することで、脅威を避けられる可能性もあるでしょう。

SWOT分析の手法

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SWOT分析は内部要因と外部要因をそれぞれ分析することにより、自社の強みや弱みなどを把握することができます。それでは、具体的にどのようにして分析を行えばよいのでしょうか。

ここではSWOT分析の手法について紹介していきます。参考にしてみてください。

目的を設定する

SWOT分析を行う場合は、まずは分析を行う具体的な目的や目標を設定するようにしましょう。SWOT分析を行っても成果が得られないケースがありますが、その多くは明確な目的を設定していないことが原因です。

設定する目的によっては分析の内容も変わります。また、分析に入る前に、何のためにSWOT分析を行うのかという議論を行っておくことが重要です。

分析のステップ

SWOT分析の目的を設定したら、次に4つの各要素をそれぞれ箇条書きで書きだしていきましょう。さらに、箇条書きにしたものを集約し、グループ分けを行います。

また、グループそれぞれの関係を解りやすくし、グループ分けしたものを「強み」「弱み」「機会」「脅威」としてそれぞれテキスト化するようにしましょう。

外部環境と内部環境の関係

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SWOT分析では、内部要因である「強み」や「弱み」を、外部要因である「機会」や「脅威」が取り巻いているという関係性になっています。つまり、4つの要素はそれぞれ独立しているのではなく、全てにおいて関係性を持っているという特徴があります。

それぞれの要素は、企業が行う活動や市場の動向などとあわせて流動化しています。

外部・内部環境分析に適したフレームワーク

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SWOT分析を行う場合には、外部要因、内部要因についてそれぞれ分析していく必要があります。また、このような環境分析を行うためによく使用されるマーケティングフレームワークとして、「ファイブフォース分析」や「VRIO分析」などがあります。

ここでは、外部・内部環境分析に適したフレームワークをそれぞれ紹介していきます。

外部環境:ファイブフォース分析

外部環境の分析に用いられる「ファイブフォース分析」とは、「新規参入の脅威」「競合の脅威」「代替品の脅威」「買い手の交渉力」「売り手の交渉力」という5つの脅威について分析を行うフレームワークです。

これらの5つの脅威は、企業の収益に直接影響を与えるものです。ファイブフォース分析では企業を取り巻く外部環境を分析することで、企業の置かれている状況や脅威を把握することに役立ちます。

また、どの要因が自社の競争戦略立案にもっとも影響を与えるか検討するのにも効果的です。

内部環境:VRIO分析

内部環境の分析に用いられる「VRIO分析」とは、「Value(経済価値)」「Rareness(希少性)」「Imitability(模倣可能性)」「Organization(組織)」という4点を分析するフレームワークです。

企業の強みや弱みを分析する考え方として「リソース・ベースト・ビュー」というものがありますが、VRIO分析は「リソース・ベースト・ビュー」における代表的なフレームワークとなっています。

SWOT分析で自己分析する手法

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SWOT分析は就職活動などで行われる自己分析にも活用されている手法です。たとえば、強みが「海外留学で得た高い英語力」、機会が「企業にグローバル人材が求められている」であれば、積極的戦略として企業が求めている人材にマッチしている点がアピールできるでしょう。

このように、自己分析としてSWOT分析を行うことで、企業にマッチした自分の強みを把握することができます。

SWOT分析の手法についての理解を深めよう!

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SWOT分析は自社を取り巻く外部要因や自社の抱える内部要因を分析するフレームワークです。

ぜひ本記事で紹介したSWOT分析の概要やSWOT分析マトリックスのふたつの軸、クロスSWOT分析の組み合わせなどを参考に、SWOT分析を自己分析や自社の現状把握に活用してみてはいかがでしょうか。

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