ABC分析を活用する利点とは?手順やおすすめのツールもあわせて紹介!
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ABC分析を活用する利点とは?手順やおすすめのツールもあわせて紹介!

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ABC分析を活用する利点とは?手順やおすすめのツールもあわせて紹介!

記載されている内容は2021年10月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年10月28日

更新日:2022年03月01日

ABC分析とはどのような分析フレームワークなのでしょうか。本記事では、ABC分析の目的やABC分析を活用する利点、ABC分析の活用手順、おすすめのABC分析ツールなどをご紹介します。広報やマーケティングに関わる方や自社に取り入れる予定の方は参考にしてください。

ABC分析とは?

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ABC分析とはパレートの法則に基づいたフレームワークです。ABC分析では、売上高やコスト、在庫といった指標を大きい順番にA、B、Cというようにランク付けしていき、重要度や優先順位を決めて管理します。

ABC分析のベースとなっているパレートの法則は、「売り上げの8割は商品全体の2割が生み出している」という考え方です。

ABC分析ではこのパレートの法則を基に、売上高の割合が累積売上高70%以下の商品グループをA、71%~90%をB、91%~100%をCというようにランク付けし、Aの商品に重点を置いて管理することになります。

ABC分析の目的3つ

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企業が自社のマーケティング活動に用いるフレームワークにはさまざまな種類があり、それぞれ目的は異なります。それでは、マーケティングフレームワークの1つであるABC分析にはどのような目的があるのでしょうか。

ここでは、ABC分析の目的について紹介していきます。広報、マーケティングに関わる方は、ぜひ参考にしてください。

1:事業を効率化して経営力を高める

ABC分析には、事業を効率化して自社や店舗の経営力を高めるという目的があります。ABC分析では、売上高や在庫などの要素から商品やサービスの分析を行って現状を可視化することで、力を入れて管理すべき商品や顧客層を明確化できます。

そのため、ABC分析を活用することで事業を効率化し、企業の経営力や競争力を高めることも可能になるでしょう。

2:実態に合った経営戦略を考えやすくする

ABC分析を定点観測として実施することにより、実態にマッチした経営戦略を立てるという目的があります。

ABC分析を実施すれば、その時点での現状を把握することが可能になるため、たとえば優先すべき商品や商品のカテゴリを絞って、事実に即した経営戦略も立案しやすくなるでしょう。

3:パレート図による分析で重視したい取り組みを把握する

ABC分析には、重点的に取り組むべき課題を把握するという目的があります。ABC分析で用いられるパレート図は、各アイテムを重要度によってABCでランク付けすることにより、重点的に取り組むべき問題を抽出することを目的としています。

そのため、ABC分析ではパレート図による分析を行うことで、特に重視すべきAランクの商品を簡単に確認したり、Cランクの商品を他の商品に入れ替えた場合のシミュレーションをしたりすることができます。

ABC分析を活用する利点3つ

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ABC分析は、パレートの法則に基づいて自社の商品や商品グループなどをランク分けしていく分析手法です。シンプルな分析手法ではありますが、ABC分析にはさまざまなメリットがあります。

ここでは、ABC分析を活用する利点を紹介していきます。以下に詳しく紹介する3つのメリットがどのようなものか、しっかりと把握しておきましょう。

1:現状を把握できる

ABC分析を行うことにより、自社製品の中でも売れ筋の商品やコストのかかっている商品などが可視化できるため、自社製品の現状が把握できます。

たとえば、売上に貢献している商品を可視化する場合は、売上高や利益率、販売個数などを基準に高い順に並べ、累積売上高と累積構成比率を算出します。

さらに、累積構成比率が80%以内のものをA、81~90%のものをB、91%以上のものをCにランク分けすることで、売上に貢献している商品や貢献していない商品を把握できるようになるでしょう。

2:無駄のない在庫管理ができる

商品の売り上げを増やすためには、限られたスペースの中で在庫管理を行う必要があります。ここで重要になるのが、売上に貢献する商品とそうでない商品を把握することです。

前述の通り、ABC分析では売れ筋の商品や売り上げに貢献していない商品を一目で把握できるようになります。

そのため、ABC分析の結果を基にすることで、優先度が高い商品の在庫を増やし、優先度が低い商品を最小限の在庫にすることが可能になります。

このような無駄のない在庫管理は、ABC分析の大きなメリットと言えるでしょう。

3:効率よくコストの管理ができる

企業にとって、製造段階でのコスト削減を目指す「コストコントロール」は非常に重要です。競合他社よりも少ないコストで商品を提供できれば、企業の優位性も高まります。

ABC分析では、商品のコストの大きさでランク付けすることにより、商品のコストのウェイトを把握できるため、効率よくコスト管理を行えるというメリットがあります。

ABC分析の活用手順6つ

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ここまでABC分析の目的やメリットなどを紹介してきましたが、実際にABC分析を行う際にはどのような手順で実施すれば良いのでしょうか。

ここからは、ABC分析の活用手順6つを紹介していきます。

1:構成比を計算する

構成比とは、対象の商品の売り上げが全体売上に占める割合のことです。ABC分析を行う場合は、まずは構成比を計算する必要があります。

構成比を計算するには、まず期間を決めて、商品全体での売上金額や粗利額、販売個数といった売上データをまとめます。さらに、対象商品の売り上げ金額を算出し、全体の売上金額で除算しましょう。

2:累計構成比を算出する

累計構成比とは、構成比すべてを合算した合計のことで、パレート図を作成するために必要な項目となります。ABC分析の場合も、売上の構成比と累積構成比を算出することが最初のステップとなります。

前のフェーズで算出した構成比を足し合わせ、累積構成比を算出しましょう。たとえば2時間、3時間、4時間を足し合わせると累計9時間となりますが、24時間のうちの9時間、つまり37.5%が累積構成比となります。

3:累積割合を分類する

ここまでの工程で、売り上げ全体の70~80%ほどを構成比の累計の上位数商品がカバーしていることが見えてきます。これがパレートの法則です。

累積売上割合によって、累積売上割合7割までの商品をAグループ、7割~9割の商品をBグループ、9割~10割の商品をCグループとして3つのグループにグループ分けを行いましょう。

Aグループが売り上げへの貢献度の高い商品ということになるため、企業としてもっとも重視すべき商品ということになります。

また、Cグループは売り上げへの貢献度が低いため、最小限の在庫で管理したり、商品の入れ替えを検討したりする対象となります。

4:ネットショップでABC分析をする場合

ネットショップの場合、実店舗のように商品を陳列する棚や倉庫などのリソース制限の影響が少ないため、ABC分析によってCグループに振り分けられた商品にも注目しましょう。

また、実店舗のようなスペース上の制限がないネットショップでは、幅広い商品を取り扱うことによってニッチな層にアプローチできます。

そのため、Cグループの商品であっても取り扱いを中止するのではなく、そのまま販売しておくのが良いでしょう。

ネットショップの場合は、Cグループの商品を幅広く取り扱っている方が幅広い客層にリーチすることが可能になり、トレンドの影響を受けにくくなります。

5:パレート図を作成する

ABC分類を行ったら、データをもとにパレート図を作成しましょう。パレート図を作成する場合は、まずはABC分類表を作成し、次にABC分類表をグラフ化するという流れになります。

ここでは、それぞれの手順をご紹介します。

ABC分類表の作成

ABC分類表を作成する場合は、まずは売り上げや構成比、累積構成比、ランクをまとめたABC分析表を作成しましょう。ABC分析表はExcelなどで作成するのがおすすめです。

また、ABC分析表は重要度や売上高によってランク付けし、ランクごとに色分けしておくと見やすくなるでしょう。

ABC分類表のグラフ化

パレート図では売り上げの棒グラフと累計構成比の折れ線グラフを使用するため、ABC分類表を基にこれらのグラフを作成しましょう。

このように、棒グラフと折れ線グラフを1つのグラフ内に表すのがパレート図の基本となります。

Excelのテンプレートにある「パレート図」を使用すれば簡単にグラフ化できるため、活用してみると良いでしょう。

6:ABC分析をする

自社の戦略などに合わせてABC分析を行いましょう。Excelなどの表計算ソフトで作成することをおすすめします。

「売り上げ」を重視する場合のABC分析については先に紹介した通りですが、販売個数など、自社が重視する指標に合わせてもABC分析が活用できます。

ABC分析の分類としては、重要度の高い商品は、発注や販売管理で重視すべき商品としてAグループに、Cグループは場合によっては入れ替えを検討するなど、自社の事業に合わせて検討すると良いでしょう。

ABC分析で注意すること

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ABC分析を行う場合、Aグループの中に流行や季節的な要素によって一時的に売り上げが増大している商品も含まれる可能性があります。

また、ABC分析ではそのような商品を判別することができないため、そういった商品はAグループに振り分けられても時間が経過することで売り上げが落ちていきます。

ABC分析を行う場合は、自分の目でも分析結果をしっかりと確認するようにしましょう。

おすすめのABC分析ツール4つ

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これからABC分析をマーケティングに活用したいと考えている企業も多いでしょう。ABC分析を行う場合は、ABC分析ツールを活用するのがおすすめです。

ここでは、おすすめのABC分析ツール4つをご紹介します。ABC分析のツールに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

1:Google アナリティクス

Google アナリティクスとは、Googleが提供しているビジネスに活用できる無料の分析ツールです。Google アナリティクスを活用することで、集客や顧客行動、コンバージョンのサマリーを1つの画面で管理できます。

また、Webサイトの訪問者がどのようなルートで流入し、Webサイト内でどのような行動をとり、コンバージョンに繋がったのかも把握できるようになるため、便利な分析ツールと言えるでしょう。

2:active core

active coreとは、株式会社アクティブコアが提供しているマーケティングプラットホームです。直感的なインターフェースで誰でも簡単に操作することができ、クラウド上でABC分析やレポート作成が行えます。

また、データ分析からマーケティングコンサルティングまでをワンストップで提供しています。

3:Customer Rings

Customer Ringsとは、株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供しているマーケティングオートメーションです。ECサイトや通販業界向けのツールとなっており、豊富な分析ツールを提供しています。

また、Customer RingsのABC分析では、ECサイトの売り上げを自動的に集計できるため、売上に貢献している商品に注力した施策につなげることができるでしょう。

4:SPEEDA

SPEEDAとは、ビジネスにおける情報収集や分析を効率化できるビジネス情報プラットフォームです。

各業界の専門家が作成した約3,000以上の業界レポートや、約90のトレンドレポートを利用でき、自社のビジネスに活かすことができます。

ABC分析の手順を把握して活用しよう!

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ABC分析とは、自社の商品やサービスを重要度でランク付けし、管理するフレームワークです。

本記事で紹介したABC分析の目的や活用する利点、ABC分析の活用手順、おすすめのABC分析ツールなどを参考に、ABC分析を自社の現状把握に活用してみましょう。

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