PDCAサイクルを回す方法で成果を上げるコツ|メリットや注意点も合わせて解説
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初回公開日:2021年12月27日
更新日:2024年10月15日
PDCAサイクルを回す方法とは
PDCAはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字で、PDCAの各項目を1サイクルとして目標達成までこれを繰り返し行います。
PDCAサイクルを回して効率的に目標を達成するためには、コツや注意点があります。それらのコツや注意点をご紹介しますので自社での業務改善をしましょう。
PDCAとOODAの相違点
PDCAは以前から業務改善の方法として広く普及していますが、問題解決の新しい手法としてOODAが考案されました。
PDCAがPlan、Do、Check、Actionを一方向に回すのに対して、OODAはObserve(観察)、Orient(状況判断)、Decide(意思決定)、Action(実行)を状況に応じて各プロセスに戻せます。
PDCAは外的な要因で状況が変化した事柄に対処できませんが、OODAは各プロセスに戻せますので状況が変化した場合にも対処できますし、計画や検証といったプロセスがなくすぐに行動に移すため時間がかかりません。
PDCAサイクルを回す方法で成果を上げるコツ4つ
PDCAサイクルを回す方法で成果を上げるコツ4つは、各プロセスを継続してうまく回していくことです。
PDCAのプロセスをうまく回せれば、全体としてPDCAサイクルが機能して改善がうまくいくことになるでしょう。
- Plan(計画)で成果を上げるコツ
- Do(実行)で成果を上げるコツ
- Check(評価)で成果を上げるコツ
- Action(改善)で成果を上げるコツ
1:Plan(計画)で成果を上げるコツ
Plan(計画)で成果を上げるコツは何のための計画なのかを明確にしましょう。計画は目標を達成するために作成し、目標は目的をなすために達成するものです。
目標は、現実的で分かりやすく数値化したものにします。目標と現実のギャップを把握し課題をみつけます。取り組む課題には優先順位をつけて、それに対処する細分化した行動計画と指標を作成することが必要でしょう。
2:Do(実行)で成果を上げるコツ
Do(実行)で成果を上げるコツは計画にそって確実にやり遂げることです。日常業務では時に緊急度が高く重要度の高い業務が発生しますので、そちらに時間を取られて計画通りに行動できない場合もあるでしょう。
このような場合にも、作業ができるよう時間を作って計画どおりの行動をするようにしましょう。実行したことは後日評価(Check)できるように、作業内容とその結果どうなったかを明確な指標をもとに記録に残しておきます。
3:Check(評価)で成果を上げるコツ
Check(評価)で成果を上げるコツとして、うまくいっていない場合はその原因を突き止め、うまくいっている場合はうまくいっている原因を考えましょう。
評価方法は、計画で決めた数値目標に対して達成できたかどうかと行動計画通り行動できたかどうかを評価します。数値目標が行動計画に基づいて行動した結果として達成できたかどうかを判断し、未達の場合には未達の原因、達成できた場合にはその理由を突き止めます。
4:Action(改善)で成果を上げるコツ
Action(改善)で成果を上げるコツは、check(評価)によって明らかになった問題点に対して改善を行い、新しいPDCAサイクルにつなげることです。
改善といっても改善内容によっては目標の調整が必要なレベル、計画の見直しが必要なレベル、行動計画の見直しが必要なレベル、改善の必要がないレベルなど、そのレベルによって次の行動計画が変わってくるでしょう。
PDCAサイクルを回す方法を活用して得られる3つのメリット
PDCAサイクルを回す方法を活用して得られるメリットはいくつかありますが、その中で代表的な3つについてご紹介します。
PDCAのメリットを理解してPDCAサイクル活動をすれば、よりよい結果が得られるでしょう。
- 目標・目的が明確になる
- 目標と結果とのかけ離れを防げる
- 作業効率が上がり業務改善ができる
1:目標・目的が明確になる
PDCA方式では計画段階で明確な目標や目的が作られます。PDCAでは目標値がぶれたり行動が曖昧になったりすることがないため、個人としても組織としても目標達成や問題解決に向けて道筋を立てて行動ができるというメリットがあります。
個人が目標や役割を理解していると、モチベーションが上がりより良い結果が得られるでしょう。
2:目標と結果とのかけ離れを防げる
PDCAでは目標を明確でわかりやすい数値目標にするため、目標と結果の乖離が評価しやすくかけ離れが防止できます。
目標値を「売上を上げる」や「会社を大きくする」といった抽象的で曖昧なものにした場合、結果が目標値を達成できたかどうかを明確に判断できなくなり、期待した結果とかけ離れたものとなってしまうでしょう。
3:作業効率が上がり業務改善ができる
PDCAはサイクルを繰り返し回すことで作業効率が上がり業務改善ができます。PDCAサイクルの最後のプロセスに、さらなる改善施策を検討するプロセスがあります。
PDCAサイクルは継続してサイクルを回すものです。失敗したとしても前の評価をもとに次のPDCAサイクルを回して継続的に改善活動を続けて業務改善を行っていきます。
PDCAサイクルを回す方法を活用することの3つの注意点
PDCAは業務改善を行うのに有効な手段ですが、PDCAを実施するにあたっていくつかの注意点があります。
ここではPDCAサイクルを回す方法を活用する際に、注意しなければならない3つについてご紹介します。これらの注意点を参考にしてPDCAを活用し改善を行いましょう。
1:革新的な改善は目指しにくい
PDCAの考え方では、前回の結果をもとに次のPDCAサイクルを行っていきます。このため、最初のサイクルに縛られて新しいアイデアをだしたり、まったく違った方法で目標達成するといった取り組みがなされなかったりします。
PDCAサイクルが問題とされるのが、前例主義に陥り革新的な改善を目指しにくいことです。革新的な改善とのバランスをとることが大切でしょう。
2:PDCA自体が目的化してしまう
PDCAは、改善するのに有効な手段ですがスケールの大きなプロジェクトでは目標達成よりPDCAを回すこと自体が目的化してしまう可能性があります。
PDCAでは継続的な改善活動のため、目標が未達であっても次のサイクルを回すことができます。次のPDCAサイクルで目標を達成すればいいといった考え方が身についてしまうといつまでも目標が達成できずに、PDCAサイクルだけが回っているといったことに陥るでしょう。
3:改善に時間がかかる
PDCAはPlan、Do、check、Actionの各プロセスを順番に行うため改善するまでに時間がかかります。改善策を思いついても改善を実施する前に、計画を立て、それを実行したあと評価するといったプロセスを踏みますので時間がかかることになるでしょう。
目標が達成されなければサイクルを回し続けることになり、さらに時間がかかります。
PDCAサイクルを回し効果を発揮する場面
PDCAサイクルを回し効果を発揮する場面としては、環境の変化がなく従来の延長線上の考え方で改善できるといった場面でしょう。
具体例としては、営業成績アップ、人材育成、採用活動、経費削減、工数削減などの企業での利用の他に学校教育でも取り入れられています。
PDCAサイクルを効果的に回すためにやるべきこと4つ
PDCAサイクルを回すことは、計画、実行、評価、改善のプロセスを順番に回すのが基本です。ここからは、PDCAサイクルを効果的に回すためにやること4つについてご紹介します。
- 目標と期間を明確に設定する
- 定期的に確認を行う
- Checkを実行し継続し続ける
- 目標を数値・指標を記録に残す
1:目標と期間を明確に設定する
計画した時に目標と実施期間を明確に設定しておくことが重要となります。評価しやすい数値的目標を、いつまでにやり遂げるかを決めておきます。明確な目標値と期間を設定することで、だらだらとPDCAサイクルを回し続けるといったことを防止できるでしょう。
明確な数値目標と期間を決めておけば、評価もしやすくなります。
2:定期的に確認を行う
PDCA方式では定期的に確認作業を行うことで、適切な改善策がでてきます。定期的な確認作業は次のPDCAサイクルにつながり、PDCAサイクルを継続的に回すことにもなります。
3:Checkを実行し継続し続ける
PDCAサイクルを回して改善を行う場合、1回PDCAサイクルを回しただけで終わるのではなく、継続しPDCAサイクルを回し続けて改善を行っていくことが重要です。
PDCAサイクルを継続することで、PDCAサイクルを実施して得られる知識が蓄積されます。この蓄積によって大きな効果が得られ、確実な前進が図られるでしょう。
4:目標を数値・指標を記録に残す
PDCAの計画時に作る目標値、指標は明確に評価できるような数値とし、後日でも確認できるように記録に残します。記録に残すことでCheckが容易となり、よりよいアクションにつながるでしょう。
記録に残さずやりっぱなしとなってしまうと、同じミスを繰り返すため時間ばかりが過ぎて、いつまでたっても改善効果が得られなくなるでしょう。
PDCAサイクルを回す際によくある失敗の要因4つ
ここからは、PDCAサイクルを回すにあたり各プロセスで失敗につながる要因をご紹介します。PDCA方式の失敗要因をあらかじめ把握して、効果的な改善を行うようにしましょう。
- Plan(計画)の場合
- Do(実行)の場合
- Check(評価)の場合
- Action(改善)の場合
1:Plan(計画)の場合
Plan(計画)での失敗要因は、不適切な目標設定と曖昧な行動計画を設定してしまうことです。あまりにも高すぎる目標は実行までに多くの時間がとられ、その後の評価や改善がうまくできなくなってしまうことも発生するでしょう。
また、行動計画が曖昧になってしまうと、誰が何をしていいかわからず計画通りに進まなくなるでしょう。計画段階で誰が何をいつまでにするかを話しあって決めておきます。
2:Do(実行)の場合
Do(実行)での失敗は、計画通りに実行できないことと実行記録がおろそかになってしまうことが挙げられます。計画はしたものの、計画通りに実行ができず次のプロセスの評価や改善に悪い影響がでてしまうでしょう。
また、実行はできたけれど実行することに気を取られて記録がおろそかになった場合も、評価や改善がうまく進まないことにつながるでしょう。
3:Check(評価)の場合
Check(評価)の失敗要因は成功したのか失敗したのかの把握ができないことです。Check(評価)では目標を達成できたかどうかと達成できた理由、失敗した場合には失敗した原因は何だったのかを評価します。
評価は目標値だけでなく、何が原因でそのような結果になったのかを評価できるように、あらかじめ細かな指標も決めておきそれらの指標も評価しましょう。
4:Action(改善)の場合
Action(改善)での失敗要因は、改善点をうまく見つけられないことやPDCAサイクルを回すことが目標となってしまうことです。目標は未達となったが何をどう改善すればよいか見つけ出せないと、次のPDCAサイクルを回せなくなってしまうでしょう。
改善点がわからないと次のPDCAサイクルを回せなくなったり、堂々巡りしてしまいPDCAサイクルを回すことが目的化してしまったりします。これを回避するためには、具体的な評価指標を細かく設定・追加しましょう。
PDCAサイクルとOODAループの使い分けが重要な理由
PDCA方式は環境変化に対しては弱いですが、環境変化のない業務改善には向いています。逆にOODAは環境変化に強くスピードをもって改善できる反面、計画や検証といったプロセスがなくPDCAより成功率が劣るでしょう。
実際の業務では環境変化がありさらにスピードを求められますので、PDCAとOODAの良いところを生かして環境変化に対応しながら迅速に改善を続けるのがよいでしょう。
PDCAサイクルを回す方法を知って目標達成しよう
PDCAサイクルは有効業務改善方法として一般的に知られた方法であるため、広く採用されています。ただPDCAサイクルを回しても効果的な業務改善が出来ていない場合もあります。
紹介したPDCAサイクルを回すやり方で成果を上げるコツや注意点を参考にして、継続的にPDCAサイクルを回して成果をだしていきましょう。