サイレントクレーマーとは?そのリスクや正しい対策法をご紹介
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また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
初回公開日:2025年12月21日
更新日:2025年12月21日
店舗や企業などに不満・クレームを伝える人のことを、クレーマーと呼びます。
しかし、近年では不満を直接店舗・企業に伝えない人を指す「サイレントクレーマー」という言葉が注目されているのをご存じでしょうか。
実はこのサイレントクレーマーを放置してしまうことで、企業にとって大きなリスクとなってしまう可能性があるのです。
そこで今回は、サイレントクレーマーとは何か、その概要や考えられるリスク、またサイレントクレーマーへの対処法までご紹介していきます。
サイレントクレーマーとは?
サイレントクレーマーとは、商品・サービスに対して不満・クレームがあるのにも関わらず、直接伝えることなく抱えるユーザーのことを指します。
「クレーマー」と言われると、一般的に企業・店舗に対して苦情や理不尽なクレームなどをしつこく申し立てたりする人をイメージするかと思いますが、サイレントクレーマーは不満を抱えるだけで、企業側に申し立てることはありません。
一見企業にはデメリットがないように思えるサイレントクレーマーですが、実はその存在は、放置することでリスクが顕在化してしまう可能性があるのです。
1-1. サイレントクレーマーが注目される背景
近年、サイレントクレーマーという存在が注目されることになった大きな理由として、インターネットが普及し、SNSが広がったことがあります。
インターネットの普及により、企業への直接の問い合わせを面倒に関するユーザーが増加したこと、また、誰もが気軽に情報を発信できるようになったことにより、個人の企業への意見などが瞬く間に拡散してしまい、企業のイメージに悪影響を及ぼすことなどから、サイレントクレーマーが増加し、また大きなリスクとなり得る可能性が高まったことなどがその理由として挙げられるでしょう。
サイレントクレーマーにより考えられるリスク
企業がサイレントクレーマーを放置してしまうことで、以下のようなリスクとなる可能性があるでしょう。
・外部で拡散されてしまい風評被害を起こす
・改善のチャンスを逃してしまう
・潜在顧客やリピーターを失う可能性がある
それぞれ詳しく解説します。
2-1. 外部で拡散されてしまい風評被害を起こす
まずは、風評被害の原因となってしまう可能性があるということです。
企業に直接不満を伝えなかったとしても、抱えた不満を発散するために、知人などに話したり、またSNSに投稿するというユーザーが多くいます。
特にSNSに投稿されれば、ネガティブな情報が広く拡散してしまったり、何年も残り続けてしまったりして、それを見た他のユーザーからの企業イメージの低下を招くリスクがあるでしょう。
2-2. 改善のチャンスを逃してしまう
サイレントクレーマーは企業に不満を伝えないまま、商品・サービスの利用を止めてしまいます。
そのため、企業側は顧客がどのような不満を抱えているかを知ることができません。
クレームにより顧客のニーズや改善点を把握できれば改善策を講じることもできますが、把握できないまま改善のチャンスを逃し、同様の不満を持った顧客がまた新たなサイレントクレーマーになってしまう...という可能性もあるでしょう。
2-3. 潜在顧客やリピーターを失う可能性がある
サイレントクレーマーの投稿によりネガティブな口コミが広がれば、今後顧客になる可能性があった潜在顧客を失ってしまう原因にもなるでしょう。
また、事業の安定に重要なリピーターの獲得も、問題点を把握できず改善ができないことで難しくなってしまいます。
サイレントクレーマーの対策方法
それでは、サイレントクレーマーからご紹介したようなリスクを最小限に抑えるためには、どのような対策を行えばよいのでしょうか。
企業がおこなうべきサイレントクレーマーへの対策方法を5つ、ご紹介します。
3-1. ソーシャルリスニング
まずは、ソーシャルリスニングです。
ソーシャルリスニングとは、SNSや口コミなどの投稿・情報を収集し、分析するというマーケティングの手法です。
SNSなどを監視し、リスクとなりそうな投稿をいち早く発見することで拡散前に対処することも可能になりますし、問題点を把握し、改善に役立てることもできるでしょう。
リスニングはツールなどを活用し自社で行うことも可能ですが、知識と手間が必要なため専門家に依頼するのもおすすめです。
3-2. 従業員教育・サービス向上
日頃から従業員教育に力を入れ、サービス向上を目指すのも対策になりますね。
また、合わせて職場環境の改善を行うことも重要です。
職場環境に不満がある、ストレスを感じる場合、モチベーションの低下などによりサービスの質が低下してしまう可能性もあるでしょう。
3-3. 顧客とのコミュニケーション
SNSはネガティブな情報が瞬く間に拡散されてしまうというデメリットはありますが、企業にとって、顧客とのコミュニケーションに活用できるというメリットもあります。
ネガティブな口コミに対してSNSで誠実に対応することでイメージを向上できる可能性もありますし、日頃から積極的にポジティブな情報を発信し、顧客とコミュニケーションをとることで顧客との信頼関係をつくることもできるでしょう。
3-4. 問い合わせフォーム・ FAQの設置
自社サイトなどに問い合わせフォームやFAQページを設置し、サイレントクレーマーが不満や疑問をインターネットから手軽に伝えたり、解消できる体制を整えるというのも対策のひとつとして非常に有効です。
特に、24時間いつでも対応できるようチャットボットを導入したり、サイト内での問い合わせフォームへの動線をスムーズにすることなどを心がけたりすることで、問い合わせへのハードルを下げることができるでしょう
3-5. 専門家への対策依頼
ご紹介したようなソーシャルリスニング・SNS監視を含め、SNS上でのネガティブ情報拡散に対しては、専門の対策会社に依頼するというのもひとつの手です。
対策会社では技術的知識から迅速に対応・拡散の予防を行うことも可能ですし、万が一風評被害がすでに広がってしまっている場合でも、インターネット各所への風評被害対策を適切に行うことができるでしょう。
サイレントクレーマーからのクレームへの対応方法
実際にサイレントクレーマーによる投稿が行われ、拡散してしまった場合には、迅速かつ適切に対応できるかどうかが非常に重要です。
投稿が拡散し、炎上のような状態になってしまった場合には、まずは焦らず事実確認を行いましょう。
内容が事実かどうかなどを正確に把握することで、二次被害を防ぐことができます。
悪意のあるデマであったなど、内容が事実でない場合には迅速に事実ではないことを伝えなければなりませんが、正当な不満・意見である場合には、謝罪文を公表する必要があります。
誠実な謝罪とともに今後の改善策・再発防止策を公表することで、被害を最小限に抑えることができるでしょう。
まとめ
今回の記事では、企業に不満を伝えることなく利用を止めたり、SNSなどで不満を投稿する「サイレントクレーマー」の存在について、そのリスクや予防策、またリスク顕在時の対応などを詳しくご紹介しました。
インターネット上での評判が直接経営に影響しやすい現代では、サイレントクレーマーへの対処は非常に重要です。
ぜひ本記事を参考に、対策を行ってみてくださいね。