バイトテロとは？その影響と起こる原因、防止のための対策を詳しく解説

近年、SNSやメディアなどで「バイトテロ」という現象が話題になったのをご存じでしょうか。
様々な事例が相次いで起こり、企業にとっては注目せざるを得ないリスクのひとつとなってしまったバイトテロですが、「言葉は聞いたことがあるけれど詳しく知らない」「どのような対策をしてよいか分からない」という方もいるでしょう。

そこで今回は、バイトテロをその原因・与える影響からひも解くとともに、バイトテロ防止のための対策までしっかりと解説していきます。

「バイトテロ」とは、アルバイト従業員が職場で不適切な言動を行い、それをSNSなどに投稿することで、企業イメージや評判を大きく損なう事態となることを指します。

2013年ごろから、頻繁に同様の事象が起きたことで社会問題ともなっており、今や企業に深刻な被害をもたらしかねないリスクとして注目されているでしょう。

バイトテロの実際の事例として多いのが、
・飲食店での食品の不適切な取り扱い
・店舗設備の目的外の使用
といったものです。

例えば調理中の食材を床に落としてまた使用する姿や、調理用の容器から口に液体を入れる、また冷凍状態の食品を掃除用具の中に入れるなど、アルバイトによる悪ふざけのような行動が投稿されることで、衛生管理に関する信頼を失ってしまう、スタッフの管理不足を指摘されるなど、企業に深刻なダメージを与えることも大いにあるでしょう。

バイトテロが起きてしまうと、前述の通り企業は深刻なダメージを受けることになります。

バイトテロによる企業への悪影響としては、以下のようなものが存在します。

・企業イメージの低下
・経済的損失
・他の従業員の士気低下
・法的な問題につながる


まず大きな影響として、企業イメージが低下してしまうことがありますね。
ユーザーからのイメージ低下により顧客離れを起こしたりと、実際に売上に影響することも十分にあり得るでしょう。

また、経済的損失が起こるのは売上の面だけではなく、評判回復に際するコストや、場合によっては損害賠償の支払い、訴訟費用の発生。罰金など、法的な問題となりさらに経済的な損失が生まれる可能性もありますね。

バイトテロは他の従業員の士気にも悪影響を及ぼすこともあるため、あらゆる点で注意しなければならないということです。

バイトテロが起こってしまう原因、また環境的な背景としては、次のようなものが挙げられます。

・SNSの普及
・ネットリテラシーの欠如
・スタッフ管理や職場環境の問題
それぞれ詳しく見ていきましょう。

まず、大きな要因としてSNSが普及したことが挙げられます。

SNSの普及により誰もが気軽に発信できるようになり、特に若年層ではSNSが日常の一部となっているため、投稿へのハードルが非常に低くなっています。

SNSへの投稿で注目を浴びたいという承認欲求や、その場のノリで問題行動を行い、深く考えずに投稿してしまうこともあるでしょう。

SNSの普及ともつながりますが、SNSでの発信が身近になりすぎたことにより、ネットリテラシーが欠如している人が多くいることも要因のひとつでしょう。

「24時間で消える機能だから大丈夫」
「鍵アカウントだから大丈夫」
「友人のみに発信しているつもりだった」
など、インターネットに対する認識の甘さから、重大な事態を招くことも十分あり得ます。

スタッフの管理状況や職場環境も、バイトテロが起きてしまう原因のひとつです。

店舗のルールや企業の理念、また衛生管理の重要性などを十分に教育できていなかったり、正社員が不在でアルバイトのみで店舗を運営する時間が発生しており、監視体制が不十分だったりと、管理が疎かになってしまうこともリスクにつながるでしょう。

また、職場環境によるストレスや不満も、バイトテロという形で発散されてしまうということもあり得ます。
シフトが不規則で長時間労働をしていたり、給料に不満があったりと、職場環境による不満や上司などとのトラブルなど、職場でのストレスがそういった行為の引き金を引いている場合もあるでしょう。

バイトテロがもしも起こってしまえば、企業経営に影響するような炎上などにつながってしまいかねません。

企業はバイトテロを未然に防ぐため、次のような対策を行う必要があるでしょう。

・社内ルールやガイドラインの策定
・従業員教育の徹底
・コミュニケーション強化や労働環境の改善
・採用基準を上げる
それぞれ詳しく解説していきます。

まずは、バイトテロに対策できる社内ルール・ガイドラインの策定です。

・職場関連のSNS投稿を禁止する
・店舗での動画撮影の禁止
・そもそも業務スペース内にスマートフォンを持ち込むのを禁止する

など、従業員のSNS投稿をルールとして制限することで、バイトテロの防止や機密情報漏洩の防止などにつながります。

前述のルールを従業員全員にしっかりと周知することも合わせて、ネットリテラシーやSNSが企業に与えるリスクに対して従業員教育を徹底的に行うのも、効果的な対策のひとつです。

特に、アルバイトは人員の入れ替えも多いため、アルバイト教育を徹底できる環境を作ることも重要でしょう。
定期的な研修実施・教育環境整備などを意識的に行っていきましょう。

不満やストレスからバイトテロにつながってしまわないよう、従業員が職場に抱える不満を適切な形で表現できるような体制を整える、また、長時間労働など不適切な労働環境になってしまっていないか、労働環境を整備することも重要です。

定期的にミーティングを行ったり、匿名で意見を言えるようなシステムを導入したりなど、従業員とのコミュニケーションを強化し、不満をため込ませないように尽力しましょう。

バイトテロのリスクを下げるために、採用基準を見直すというのも効果があります。

人手不足だからと採用基準を下げると、職場のルールや企業理念に適合しないような人材を雇ってしまい、結果的にバイトテロなど不利益につながってしまうリスクを高めてしまうでしょう。
ネットリテラシーや責任感など、面接の際に採用基準を満たしているかどうかを丁寧に判断しましょう。

また、身元保証書の提出を求めるなど、万が一何らかの損害が発生した際に、賠償請求を行えるようにしておくことも効果的です。
事前に提出してもらっておくことで、抑止力としても働くでしょう。

今回の記事では、企業経営・店舗運営において注意すべきリスクのひとつともなっているバイトテロについて、その概要や企業に与える影響、また発生の背景とともに、バイトテロへの対策を詳しくご紹介しました。

SNS時代の企業経営では、バイトテロをはじめ炎上や風評被害など、インターネット上での様々なリスクへの対策が欠かせません。

本記事も参考にしながら、しっかりと対策を行っていただければと思います。