
TikTok×求人効果はある?成功事例やメリット・デメリットを解説
記載されている内容は2025年06月16日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
初回公開日:2025年06月16日
更新日:2025年06月16日
TikTokは若者を中心に利用が広まっているSNSの一つです。最近では、個人の利用にとどまらず、企業が求人手段として活用するケースも増えています。しかし実際のところ、「どのように運用しているのか」「本当に効果があるのか」気になる方も多いのではないでしょうか。
実際、TikTokで情報発信や求人活動を始めたことで、応募数が増加したり、自社に合った人材との出会いが促進されたりした事例もあります。一方で、やみくもに運用するだけでは十分な成果にはつながりません。
この記事では、TikTok求人の効果や企業の成功事例、メリット・デメリットについてご紹介します。
TikTokの活用に企業が注目する理由

TikTokは趣味として利用するだけでなく、企業の求人・採用活動の手法としても注目されるようになりました。
SNSの利用率が年々増加していることが、TikTokの企業参入を促した要因の一つです。令和5年に行われた総務省の調査では、20代の8割以上が『SNSを日常的に利用している』と示されています。
また、マイナビの調査によると、大学生の就職活動で利用されているSNSの上位はLINE(45 .6%)、X(36.4%)、Instagram(32.7%)、YouTube(26.0%)です。TikTokも12.9%が活用しており、若年層を中心に存在感を高めています。
TikTokでの求人が採用活動に与える効果とは
日本国内のSNS利用率は非常に高く、若年層を中心に幅広い世代に利用されています。中でもTikTokはここ数年間でユーザーが一気に増加しており、企業の情報発信やブランディング、さらには求人・採用活動においても重要な役割を担うようになりました。
求人広告とTikTokの違い
従来の求人広告はテキストや画像を用いていましたが、最近では多くの企業がSNSを活用しています。TikTokでは、数十秒のショート動画で企業の魅力を伝える工夫がされており、特に若者に効果的な手法です。
TikTokがきっかけで企業に興味を持つZ世代の就活生は少なくなく、実際に企業エントリーまで進むケースも見られます。人事担当者からも、TikTok採用の効果を実感し、応募者数が増加、採用活動が活性化したという声が聞かれます。
また、インターンシップに関する情報収集においてもTikTokが利用されるようになっており、今後も動画コンテンツを活用した求人の重要性は高まることが予想されます。
TikTokの利用が急速に広がる理由
人材採用の現場においてTikTokの重要度が高まった要因として、TikTokユーザー、特に若年層ユーザーが増加したことが挙げられます。2024年時点で国内ユーザーは1,700万人を超え、その半数以上が10代〜20代の若者です。
また、TikTokは短時間動画での発信が主流のため、文章を中心とした従来の求人方法に比べて、会社のリアルな雰囲気が伝わりやすいという特徴があります。 実際に、「TikTokでの発信をきっかけに応募した」という応募者も増えているようです。
企業がTikTokに取り組む4つの理由

TikTokは、高い拡散力を持ち、利用者数が年々増加しているSNSです。 今後は、TikTokなどのSNSをどのように活用するかが、企業の認知拡大やブランディングの成功に大きく影響する可能性があります。 主な理由は以下の4つです。
1. 若年層へのリーチが可能
2. 企業イメージを確立できる
3. 広範囲にリーチできる
4. ファン化しやすい
それぞれ見ていきましょう。
1.若年層へのリーチが可能
TikTokの国内ユーザー数は1,700万人を超え、その半数以上が10代から20代の若年層です。この世代は、企業に対して親近感や透明性を求める傾向があります。TikTokはショート動画を通して会社の雰囲気や価値観を直接感じることができるため、メインユーザーである若年層の認知を拡大させるきっかけにもなります。
2.企業のイメージを確立できる
TikTokの動画フォーマットを活用すれば、企業のブランドイメージを効果的に確立することができます。テキストや静止画だけでは伝えにくい企業の雰囲気や価値観、社風を、動画を活用することで視覚的に表現することが可能です。例えば、社員の仕事風景やオフィス環境、チームワークの様子などを短い動画で紹介することで、視聴者に企業の魅力を直感的に伝えることができます。
3.広範囲にリーチできる
TikTokの最大の強みの一つが、拡散力の強さです。
TikTokのアルゴリズムは、ユーザーの視聴履歴や好みに基づいて関連性の高いコンテンツを「おすすめ欄」に表示する仕組みになっています。既存のフォロワーだけでなく、企業の取り組みやコンテンツの内容に関心を持つ可能性の高い層に、効率的にアプローチできるのです。
また、TikTokの動画は短時間の動画が主流であるため、ユーザーは日常の隙間時間で気軽に視聴できます。 通勤・通学時間や休憩時間などの短い時間で多くの人の目に触れる機会が生まれるため、従来の求人情報サイトや説明会ではアプローチできなかった層にもリーチすることが可能になります。
さらに、TikTokで拡散された動画は他のSNSプラットフォーム(Instagram、X、LINEなど)にも共有される可能性があります。短期間で大量にシェアされれば、TikTok以外のSNSを利用するユーザーにも拡散される効果が期待できます。1つの動画が数百万回再生された事例も多く存在するため、採用広告として高い費用対効果を期待できる可能性があります
4.ファン化しやすい
TikTokでは、商品やサービスのプロモーションだけでなく、企業自体のファンを作ることができます。 コメント機能やライブ配信機能を活用すれば、より近い距離でのコミュニケーションも取りやすいため、視聴者との距離が縮まり、信頼関係を築きやすくなります。
TikTok×求人効果|採用ブランディングとは

採用ブランディングとは、自社の魅力や価値を伝え、優秀な人材を採用するための取り組みです。企業の理念や文化、働く環境をアピールし、「この会社で働きたい」と思ってもらうための企業イメージを構築することを指します。
TikTokを活用した採用ブランディングは、動画で企業の特徴や価値を伝える新しい手法です。SNSの運用に力を入れる企業は年々増加しており、職場環境や社員の日常、企業文化など、独自の魅力を伝えるために日々工夫を重ねています。
TikTokでの求人・採用活動におけるメリット
TikTokを使った求人活動は、一般的な求人サイトや広告とは性質が異なります。ここでは、TikTokを活用した人材採用で期待できる得られる効果やメリットについて、以下の3つをご紹介します。
1. 適した人材を集めやすい
2. 応募のハードルが下がる
3. ミスマッチが減る
1.適した人材を集めやすい
TikTokを人材採用に活用することで、企業が必要としている人材を集めやすくなります。会社にとってどれだけ理想の人材を採用できるかは、これからの事業拡大・展開において、非常に重要です。
TikTokのおすすめ欄は、視聴履歴をもとにユーザーが興味を持ちそうな投稿が表示されます。フォロワー数に関わらず、投稿内容に関心を持つ可能性の高いユーザーの目に届きやすいため、大幅に拡散される可能性を秘めています。
このように、TikTokを活用することで、一般的な求人広告だけではリーチしにくかった層に対してもアピールすることが可能になりました。 特に、メインユーザーである若年層に情報が届きやすいです。今後、企業が求人や集客を行う上で、SNSがもたらす影響はさらに大きくなることが予想されます。
2. 応募のハードルが下がる
TikTokでの発信・求人を行うことで、応募のハードルを下げる効果が期待できます。テキストと写真をメインとした求人広告では、実際の企業の雰囲気や強みはどうしても伝わりづらいのが現状でした。ショート動画はその点、社員の声や現場の様子を直接伝えることが可能になります。求職者であれば、会社が自分に合うかどうか判断しやすくなります。
3. ミスマッチが減少する
TikTokを活用した採用活動では、会社の文化や方針を理解した上で応募するケースが増えます。 これにより、求職者と企業側の間でのミスマッチを減らす効果が期待できます。
TikTokでの求人・採用活動におけるデメリット

TikTokでの採用活動には多くのメリットがありますが、いくつかの課題や注意点もあります。効果的にTikTokを活用するためにも、以下の3点に注意しましょう。
1. 炎上のリスクがある
2. エントリーに直結しにくい
3. 確実に拡散されるとは限らない
1.炎上のリスクがある
TikTokは拡散力や影響力が非常に高いため、炎上した場合、企業イメージが下がってしまうリスクがあります。
SNSの影響力が強くなった現代では、良くも悪くも、企業のブランドイメージが一瞬にして変化する可能性があります。良い話題が拡散されればブランドの認知度や好感度が上がる一方、一度でも悪い評判が立ってしまうと、企業ブランドやサービスのイメージが損なわれ、収益に影響が出る危険性もあります。
TikTokで求人や発信を行う際は、モラルやマナーを守って運用するよう、細心の注意を払いましょう。
2.エントリーに直結しにくい
TikTokは求人広告と比較して、直接的なエントリーに繋がりにくい場合があります。
TikTokはエンタメ要素が強く、匿名性が高いSNSです。そのため、投稿に興味を持つ人が増え、拡散されたとしても、応募者が急激に増加するとは限りません。
また、TikTokを求人検索の目的で閲覧する人は少数派であり、大半のユーザーは娯楽や趣味として利用しています。企業ブランディングに成功したとして、採用ブランディングの一環として効果を得るには、より戦略的に運用することが重要です。
3.確実に拡散されるとは限らない
TikTokを利用することで従来の求人広告よりも拡散されやすくなるとはいえ、投稿すれば必ず何万回も再生されるとは限りません。ターゲットに動画がリーチしないことや、思ったように投稿が拡散されないことも十分あるので注意が必要です。
TikTokは拡散力が高く、フォロワーが少ない状態や運用を始めたばかりの状態でも、コンテンツによっては比較的伸びやすいSNSです。しかし、ターゲットに対して効果的に動画を届けるためには、一定のスキルや知識が求められます。
TikTok×求人の成功事例3選

ここでは、企業のTikTok運用における成功事例をいくつかご紹介します。それぞれの企業がどんなコンテンツや工夫によって応募数増加や採用の質向上につなげたのか、見ていきましょう。
三和交通株式会社
1つ目は、三和交通株式会社です。
経営陣が自ら出演した「歩くタクシーおじさん」の動画がTikTokで話題になり、フォロワー数21万人超・応募数来場比1.5倍を記録しました。社長や部長が一生懸命踊る姿や、トレンドの企画動画を投稿しています。
タクシー業界では運転手の高齢化が問題となっている中で、新卒を多く採用することに成功しています。
三和交通@TAXI会社👔 (@sanwakotsu) オフィシャル| TikTok
資生堂
2つ目は、資生堂です。
若手社員の仕事風景やメイク技術を伝える動画シリーズが人気となり、会社説明会の応募・内定承諾率が上昇しています。「動画で雰囲気がわかり、安心して応募できた」といった声が多く集まっています。
TikTokで職場や社員のリアルな姿を見せることで、企業の信頼度や透明性が向上し、応募者の安心感につながっているようです。
資生堂 ビューティージャーニー (@shiseido.beauty.journey) | TikTok
ロート製薬
ロート製薬も、TikTokでの求人に成功した事例の一つです。ショート動画を活用して、1日の仕事の様子や社員のリアルな業務の様子を紹介し、大きな話題となりました。
特徴的なのは、視聴者から寄せられる意見や質問に対し、採用担当者や現場の社員が一つひとつ丁寧に返信していた点です。コメント機能を利用して、ユーザーと密なコミュニケーションを取ることで信頼を集め、フォロワーや動画の再生数の増加だけでなく、応募数や採用の質の向上に繋がったとされています。
ロート製薬【公式】 (@rohtotiktok) オフィシャル| TikTok
3つの事例からもわかる通り、TikTokで効果的に求人をするためには、単なる情報発信以上の価値を提供する必要があります。ユーザーとのやり取りを通じて、企業に対する信頼を構築することが重要です。TikTokでの求人を効果的に活用することで、企業への納得感や信頼を向上させ、入社後のミスマッチを減らす効果が期待できるでしょう。
TikTok求人を成功させるための4つのポイント
1. ターゲットを明確にする
TikTokで採用を成功させるためには、ターゲットを明確にしたうえで動画を作成することが重要です。採用したい人材に合わせた動画を投稿することで、採用後のミスマッチの可能性を減らすことができます。
TikTokはあくまで娯楽や趣味のために利用されることが多く、求人情報を集めるために閲覧するユーザーは少数派であるのが現状です。そのため、TikTokでの求人を成功させるためには、SNSに関する知識やコツを理解しておく必要があります。
まずは、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
1. ターゲットを明確にする
2. 目的やコンセプトを決める
3. 投稿を継続する
4. PDCAサイクルを回す
2. 目的やコンセプトを決め
TikTokで採用を行うには、まずはTikTokを活用する目的や採用を明確にしましょう。 目的やコンセプトを明確にすることで、動画の内容をより具体的に決めることができます。ターゲットを絞って発信することで、共感や注目を集め、興味を持ってもらえるようにすることが大切です。
3. 投稿を継続する
SNS運用において、投稿を継続できるかどうかが非常に大切になります。単発の投稿で終わらせず、継続的に動画を発信していく体制を整えることが望ましいです。
企画や撮影、編集、投稿など、計画性をもって運用しましょう。定期的に投稿をすることで、ユーザーとの接触頻度も増加します。TikTokを効果的に活用するためにも、計画的に投稿の準備を進めることが重要です。
4.PDCAサイクルを回す
動画を投稿したら、再生回数やエンゲージメント、コメント内容を分析し、次の動画企画や運用に活かしていきましょう。動画を投稿し始めても、すぐに結果が出るわけではないため、実際に投稿を開始し、PDCAサイクルを回すのが効果的です。
TikTokで求人・採用活動をする際の注意点
TikTok採用は大きなインパクトが期待できる一方、やり方を誤ってしまうと逆効果になるリスクもあります。TikTokでの採用活動を行う際の注意点は、主に以下の4つです。
1. 実際の現場の雰囲気を伝える
2. プライバシー・情報管理を徹底する
3. 炎上・批判コメントに備える
4. 情報の正確さ・誇張表現に注意する
それぞれ解説します。
1.実際の現場の雰囲気を伝える
TikTok動画で職場や社員の雰囲気を伝える際は、「実際の職場環境とかけ離れていないか」に特に注意が必要です。
良い面だけを強調しすぎると、応募者が入社後に「想像と違った」と感じてしまい、早期離職の原因にもなります。
現場のリアルな姿、仕事のやりがいや大変な点も包み隠さず伝えることで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
2.プライバシー・情報管理を徹底する
TikTok投稿には、社員の個人情報や社外秘の情報が不用意に映り込まないよう細心の注意が必要です。
TikTokは拡散スピードが速いうえに、若者への影響力は非常に大きいです。動画公開前には複数人でのチェックや、社内で統一したガイドラインの整備を徹底してください。
また、撮影・投稿のルールや運用方法については、社員や関係者への共有・教育を必ず行いましょう。
3.炎上・批判コメントに備える
SNSの特性上、予期せぬ炎上や批判的なコメントが寄せられることもあります。
コメント欄の監視や管理、万一炎上した場合の対応フロー(誰がどう対応するか)を事前に社内で決めておくことが大切です。
不測の事態が起きた場合も、企業のイメージを守るために、落ち着いて誠実な姿勢で対応しましょう。
4.情報の正確さ・誇張表現に注意する
求人情報や労働条件をTikTokで発信する際は、事実と異なる内容や誇張表現がないか、必ず法務部門や専門家と連携し、最新の法律やルールを守るようにしましょう。
コンプライアンス違反は大きなトラブルにつながるため、動画内容や説明文にも注意が必要です。必要な場合は専門家の力を借りるなどして、法律・規則を必ず守ることが重要です。
まとめ
本記事では、TikTokを活用した求人の特徴やメリット、効果的な運用ポイントについてご紹介しました。SNSは従来の求人広告よりも高い拡散力を持ち、特に若年層へのリーチ力に優れています。適切に活用することで、採用コストの削減や新しい人材との出会いにもつながる可能性を秘めているため、今後ますます重要な採用手段の一つとなるでしょう。
成功事例からもわかるように、企業の雰囲気や価値観を率直に発信し、独自性やトレンドを取り入れながら継続的に運用することが、TikTok求人を成功に導くポイントです。
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