採用ブランディングとは?その方法や進め方、メリット・デメリットを解説!
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初回公開日:2025年12月21日
更新日:2025年12月21日
企業のさらなる成長のため、優秀な人材を獲得するための施策として、注目されているのが「採用ブランディング」です。
採用活動の上では応募者の数を増やすのはもちろんですが、より自社に合った人材を集めることが重要視されるようになっており、自社の知名度向上や自社の魅力・強みのブランド化のために、採用ブランディングを検討している企業も増加しているでしょう。
そこで今回は、そんな採用ブランディングについて、その概要から実際の進め方、また採用ブランディングを行うメリット・デメリットまで徹底解説していきます。
採用ブランディングとは?注目される背景
採用ブランディングとは、企業が自社を魅力的な雇用主としてブランド化するために、自社の企業価値や強みを戦略的に発信するという取り組みのことを指します。
近年では、少子高齢化が進み労働人口が減ったことで、企業では人材不足が問題となっており、「企業が求職者を選ぶ」のではなく、「求職者が企業を選ぶ」時代になっています。
また、インターネットの普及により誰でも気軽に様々な情報を得ることができるようになったことで、就職活動においても、口コミやSNSなどで企業の情報を集めることが当たり前となっており、多くの求職者から企業を認知してもらうことはもちろん、応募先として選んでもらうためにも、採用ブランディングが重要になっているでしょう。
採用ブランディングを行うメリット
採用ブランディングを行うことで、次のような様々なメリットを得ることができます。
・採用コストの削減
・企業認知度の向上
・従業員のモチベーション向上
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1. 採用コストが削減できる
まず、採用コストの削減につながるということです。
採用ブランディングが成功すれば、採用活動に必要な求人広告や人材紹介サービスの利用といった施策を行わなくても自然と応募者を集めることができるようになり、採用にかかるコストが削減できるでしょう。
また、自社に合った応募者を集めやすくなることで採用の質向上・採用効率の向上を叶えることができ、採用活動に必要な人的コストも削減できる可能性があります。
2-2. 企業認知度向上につながる
採用ブランディングの大きな目的のひとつが、企業認知度の向上です。
企業情報の積極的な発信により企業認知度が高まれば、転職潜在層を含めて多くの人に企業を知ってもらうことができ、将来的な転職先・就職先の候補として考えてもらえる可能性も高まるでしょう。
2-3. 従業員のモチベーション向上につながる
採用ブランディングは求職者への影響だけでなく、社内、現職の従業員のモチベーション向上にも役立ちます。
採用ブランディングを行う過程で社員が自社の企業理念や強みを再認識することで、改めて自社の魅力に気づき、自社への愛着心や業務のモチベーションが高まるかもしれません。
採用ブランディングのデメリット
採用ブランディングには、デメリットとも言える注意点も存在します。
その点についても、実際にブランディング施策を行う前に把握しておきましょう。
3-1. 効果が表れるまでには時間がかかる
まず、ブランディングの効果が表れるまでに時間と手間がかかるということです。
採用ブランディングは即効性が高い取り組みではなく、企業のイメージが浸透し、認知度の向上や採用の質向上が効果として実感できるまでには、速くても1年はかかるでしょう。
長期的な取り組みとして認識し、効果測定・改善を繰り返して継続的に施策を行っていきましょう。
3-2. 会社全体の協力が必要
採用ブランディングは、会社全体で行う必要があります。
外に向けた情報発信だけに力を入れていても、発信している内容と実際の社内の実情にギャップがあれば、早期離職を招いたりと採用ブランディングの効果を最大限に得ることができません。
採用ブランディングにおいて発信している企業の強み・企業理念を全社員が認識し、共通の指針として持っている状態が理想と言えるでしょう。
採用ブランディングの進め方5STEP
ここからは、実際に採用ブランディングを効果的に進めていくための手順を、5つのステップに分けてご紹介していきます。
4-1. STEP1:自社の現状を分析する
まずは、自社の現状を分析しましょう。
・自社が採用市場・業界でどのような位置にいるか
・自社の企業理念やビジョン
・自社の魅力や強みとなるポイント
などをまず明確にすることで、実際に施策を策定・実施するための足がかりとなります。
競合他社と比較しつつ、自社の訴求ポイントを精査していきましょう。
4-2. STEP2:採用ペルソナを明確にする
次に、採用のペルソナを設定し、自社がどのような人材を必要としているのかを明確にしましょう。
具体的にペルソナを定めることで、どのようなメッセージ・強みをターゲットに伝えていくべきかや、どのような手段で発信を行えばよりターゲットに届きやすいかという施策に重要なポイントに対して、採用に携わるメンバー全員でずれなく理解することができます。
4-3. STEP3:採用コンセプトを決める
ペルソナを設定したら、次に採用コンセプトを決定します。
採用コンセプトとは、採用活動を行う上で核となるような考え方です。
複数人でアイデアを出し合ってペルソナと合った採用コンセプトを決定し、採用活動を行うメンバー全員で共有しましょう。
ペルソナと採用コンセプトがずれていると、施策にもずれが生じ、ターゲットに伝えたい情報が上手く伝わらなくなってしまいます。
4-4. STEP4:発信内容を決める
コンセプトが定まれば、いよいよ実際の採用ブランディング施策のために発信の内容・方法を決めていきます。
発信の方法としては、自社サイトはもちろんSNSなども主な発信手段として挙げられます。
方法に関しても、ペルソナに合わせて設定する必要がありますね。
また、採用活動の際、入社前に必要な企業説明会や面接段階など、一連の「候補者体験」が採用コンセプトとずれていないか、事前にチェックしておくのもおすすめです。
コンセプトに沿って一貫した候補者体験・情報発信を行うことで、効果的に採用ブランディングが行えます。
4-5. STEP5:効果測定・改善を行う
デメリット・注意点としてもご紹介したように、採用ブランディングは長期的な目線で継続して取り組んでいく必要があります。
そのため、定期的な効果測定と施策改善を繰り返し、PDCAサイクルを回していくことで、ブランディング活動を最適化することができるでしょう。
効果測定は、アンケートや実際にブランディング開始後に入社した社員へのヒアリング、また人材紹介サービスのエージェントによるフィードバックなどを参考に行い、課題があれば都度改善していきましょう。
まとめ
今回の記事では、自社に合った人材の獲得を目指して行われる採用ブランディングについて、そのメリット・デメリットから対策の進め方まで、詳しくご紹介しました。
採用ブランディングを行うことで、採用活動に対して様々なメリットを得られることはもちろん、既存社員に対しても良い影響を与えられ、更なる企業の成長を目指すことが可能になります。
インターネットでの情報収集が容易となった現代の採用活動において、ブランディングは必須とも言えるのではないでしょうか。