デシル分析表の作成方法|エクセルを使ったデシル分析の3つの手順
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デシル分析表の作成方法|エクセルを使ったデシル分析の3つの手順

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デシル分析表の作成方法|エクセルを使ったデシル分析の3つの手順

記載されている内容は2021年10月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年10月28日

更新日:2022年03月01日

デシル分析とはどのような分析手法なのでしょうか。本記事ではデシル分析表の作成方法やExcelを使ったデシル分析の方法、さらにデシル分析のメリットやデメリットなどを紹介していきますので、ぜひマーケティングの参考にしてみてはいかがでしょうか。

デシル分析とは?

デシル分析表の作成方法|エクセルを使ったデシル分析の3つの手順
※画像はイメージです

デシル分析とは、顧客の購入金額によってグループ分けするシンプルな顧客分類です。「デシル」とはラテン語で「10等分」を意味する言葉で、デシル分析を行う場合、顧客の購入金額を高い方から10等分してそれぞれをグループ分けします。

さらにグループのランクの購入金額や売上高構成比などを分析し、売り上げに貢献している顧客を見つけることにより、効果的なマーケティング施策へと繋げます。

ABC分析との違い

ABC分析もデシル分析と同様に、顧客の購入金額をグループ分けすることで分析を行う手法です。しかし購入金額を10段階にグループ分けするデシル分析と違い、ABC分析ではABCの3段階に分けます。

ABC分析はデシル分析よりもシンプルにランク分けすることができるため、商品の購買状況全体を見たい場合にはABC分析を活用し、特定の顧客に絞った施策を検討したい場合にはデシル分析を活用すると良いでしょう。

RFM分析との違い

RFM分析は、デシル分析よりも詳しく購買状況を分析することができる分析手法です。デシル分析では購入金額を使ってグループ分けを行いますが、RFM分析では購入金額だけでなく購入日や購入頻度なども使用してより詳しく分類します。

そのため、デシル分析よりも精度の高い絞り込みが可能になりますが、分析に使用する要素が増えていることからデシル分析よりも分析自体の難易度が高いです。

デシル分析表

デシル分析表の作成方法|エクセルを使ったデシル分析の3つの手順
※画像はイメージです

デシル分析を行う場合は、Excelなどを使用してデシル分析表を作成します。分析期間を区切り、その期間で顧客を累計購入額の多い順に並べて10等分します。なお、デシル分析表で使用する項目はグループごとの客数や購入金額、構成比、累積構成比などです。

デシル分析表の作成方法

デシル分析表を作成する場合、顧客を購入金額順に全部で10のグループに分けます。たとえば500人の顧客を分析する場合、1グループ50人ずつに分けるということです。

次に、グループごとに一人あたりの購入金額、累計購入金額、購入金額比率、累計購入金額比率などを算出していき、表を埋めていきます。これでデシル分析表が完成します。

デシル分析表から判断できること

デシル分析表を作成することにより、全体の売り上げのほとんどがデシル分析によってグループ分けされた上位の一部グループによって占められているということがわかります。

たとえば売り上げのほとんどが2番までのグループで占められている場合、1番と2番のグループに対するマーケティング施策を行うことが売り上げをアップするのに効果的であるということがわかります。

Excelを使ったデシル分析の3つの手順

デシル分析表の作成方法|エクセルを使ったデシル分析の3つの手順
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前述のとおり、デシル分析は非常に単純な分析方法であるため、Excelなどの表計算ソフトがあれば簡単に実行することができます。それではExcelを使用する場合、具体的にどのような手順でデシル分析を行えば良いのでしょうか。

ここではExcelを使ったデシル分析の手順について解説していきますので、参考にしてみてください。

1:必要なデータを集めてリストを作成

まずはデシル分析で分析を行うために必要なデータを揃えましょう。デシル分析を行う上で確実に必要になる情報は、顧客名(顧客番号)と購入金額の2点です。

たとえば、現在手元に「注文番号」「顧客番号」「注文日」「購入金額」という情報がある場合、それらの情報を使ってExcelでリストを作成しましょう。他にも「商品名」や「数量」などの情報をリストに追加しても問題ありません。

2:顧客ごとの購入金額を算出

作成したExcelのリストを使用して、顧客ごとの購入金額を算出しましょう。手順としては、まずExcelの表を全て範囲選択して、「挿入」タブにあるピボットテーブルにします。

行ラベルには「顧客番号」、値ラベルには「購入金額」をドラッグし、集計方法を合計にしておけば顧客ごとの購入金額を算出することができます。さらに、購入金額が大きい順に並び替えを行いましょう。

3:購入金額ごとに顧客をグループ分け

購入金額の高い順に並べ替えた表を、購入金額ごとに10等分しましょう。まずは一番左側の列を「順位」にして、大きい順から順番をつけます。次に、デシル1~デシル10までランク付けを行っていきます。

さらに、新しく「ランク」「顧客数」「合計購入金額」「合計購入金額比率」の表を作成し、関数を使ってデシルランクごとの合計金額や合計購入金額比率を算出しましょう。

デシル分析のメリット

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デシル分析は分析のための指標が購入金額だけであるため、簡単に実行できるというメリットがあります。特別な分析ツールを利用しなくても、Excelなどの表計算ソフトとデシル分析に関する基本的な知識があれば誰でも実行することが可能です。

また、購入金額によって10等分にしたあとは、もっとも購入金額が高いグループに多くの投資を行い、それ以外のグループは優先度を下げるといったわかりやすいアプローチができます。

デシル分析のデメリット

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デシル分析は非常にシンプルというメリットがある一方で、シンプルであることから詳細な分析には向かないというデメリットもあります。

消費者目線で考えると、購入者は商品の価格のみではなく、さまざまな要素を考慮して商品の購入を決定しています。また、高額な商品を購入した顧客が何年も上位グループに入ってしまうといったことも考えられるでしょう。

そのため、デシル分析は長期的なマーケティングを行うための分析には適していないと言えるでしょう。

デシル分析表についての理解を深めよう!

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デシル分析は購入金額によって分析を行うシンプルな分析手法です。ぜひ本記事で紹介したデシル分析表の作成方法やExcelを使ったデシル分析の方法、デシル分析のメリットやデメリットなどを参考に、デシル分析をマーケティングに活用してみてはいかがでしょうか。

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