
企業の風評被害事例から学ぶ!その背景や風評被害対策
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初回公開日:2025年09月08日
更新日:2025年09月09日
インターネットが普及し、ビジネスにおいてもSNSなどが欠かせないツールとなっている現代で、注意しなければならないのが企業への風評被害です。
風評被害がもたらす影響は非常に大きく、企業を守るためにも、対策が非常に重要になっているでしょう。
そこで今回は、実際に合った企業への風評被害の事例から、風評被害対策が企業にとって注目される背景や効果的な風評被害対策についてご紹介していきます。
風評被害とは?

そもそも風評被害とは、根拠のない噂やデマなどの誤った情報が広がることで、個人や団体、企業に対して経済的・社会的な被害を受けることを指します。
企業のイメージ・信頼の向上は企業活動の維持・成長に欠かせないものであり、風評被害が企業に与える悪影響は非常に大きいでしょう。
1-1. 風評被害が起こる背景
風評被害が発生するメカニズムとして、東京大学総合防災情報研究センター特任准教授の関谷直也氏は以下の3つの段階を経て風評被害が広まっていくと発表しています。
集合的増幅・・・社会で不安が拡大していく段階
組織的増幅・・・少数意見の増幅、負のスパイラルが起こる段階
自己成就・・・“払拭できない神話”として事実化し、定着する段階
(出典:東京大学防災情報研究センター|風評問題のメカニズムとその対策)
風評被害は誤った情報が発信され、さらにそれが拡散して増幅することで起きます。
テレビや新聞などがその発信源となることもありますが、近年発達しているSNS及びインターネットは、その情報の発信源となり得ることはもちろん、大きく情報が拡散し風評被害となり得る大きな要因と言えるでしょう。
1-2. 風評被害が企業にもたらす影響
企業が風評被害を受けてしまった場合、その内容が根拠のないものであったとしても、ユーザーからの企業イメージ低下や取引先などからの信頼低下を招いてしまうでしょう。
顧客離れなどから売上が低下してしまうことも大いにあり得ますし、就職希望者の減少など採用活動への影響や、信頼を失ってしまったことにより取引・融資の停止を招く可能性もあり、風評被害が経営そのものを脅かすような悪影響につながることも考えられます。
企業が受けた風評被害の事例
企業が風評被害対策を講じるための参考例として、まずは実際に企業が受けた風評被害の事例をいくつかご紹介します。
2-1. バイトによる不祥事の事例
まずは、近年話題となったアルバイトによる不祥事、いわゆる「バイトテロ」の事例です。
アルバイト従業員が店舗の商品・食材を不適切に扱い不衛生な状態にさらすなどした様子を動画に撮り、SNSに投稿する事例などが多発していました。
それにより店舗の閉店やチェーン全体での売上減少など、大きな被害を受けた企業も多くあります。
2-2. 銀行に関するデマ情報が拡散した事例
2003年には、「〇〇銀行が潰れるらしい」という噂を聞いた人が複数の友人にメールでその情報を伝えたことで、その情報が大きく拡散し、総額およそ数百億円という預金が引き出される、解約されるなどの事態に発展してしまった事例があります。
該当の銀行・財務支局が記者会見で噂を否定したことで事態は収束しましたが、大きな混乱を招く事態になったでしょう。
2-3. コロナウイルス拡大時の事例

新型コロナウイルス拡大時には、「コロナ」が企業名に入っているというだけで風評被害を受けた企業も多いようです。
とある企業では新型コロナウイルス流行後、一ヶ月で売り上げが大幅に減少したり、別の企業では社名に関するホームページへの書き込みが行われたりと、ウイルスとは無関係であることを発信しなければならない事態に陥りました。
風評被害を防ぐには?効果的な風評被害対策
それでは、企業が風評被害を防ぐためには、どのような対策を行っていけば良いのでしょうか。
効果的な風評被害対策として挙げられるのは、以下の3つです。
・ガイドラインの策定と社員教育
・危機管理体制を整える
・SNSなどのモニタリング策
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1. ガイドラインの策定と社員教育
まずは、社内でSNS利用などにおけるガイドラインを策定し、全従業員に周知、また教育を合わせてしっかりと行うことです。
バイトなども含めSNSの利用ルールを定めることで、風評被害につながるような不適切な言動を減らすことができるでしょう。
また、ご紹介したような実際の事例も踏まえ、企業にとって風評被害の影響は甚大であることと注意すべき点などをしっかりと教育することで、各社員の意識を高めることができます。
3-2. 危機管理体制を整える
風評被害を受けた場に備え、危機管理体制を整備しておくことも、対応により被害を最小限に抑えるためには非常に重要です。
風評被害が起きた場合には誰がどのようなフローで意思決定を行うのか、どこまで報告を行うべきかなど、あらかじめ対応フローを定めておくことで、万が一の際にも適切な対応を行うことができるでしょう。
3-3. SNSなどのモニタリング策
技術的な対策として、SNSのモニタリングも非常に有効です。
SNSモニタリングとは、SNS上の自社に関する投稿などをモニタリングすることで、風評被害のリスクとなるような投稿をいち早く見つけ、拡散前にできる限り対処を行うという対策法です。
目視・ツールの活用などで自社でも行えますが、そのためにリソースを割かなければいけないことや専門的知識を要することを考えると、専門の対策会社に依頼するのがおすすめです。
風評被害を受けてしまったら?

様々な対策を行っていても、風評被害が起きてしまう可能性はゼロではありません。
万が一風評被害を受けてしまった場合には、まず被害を最小限に抑えるため、事前に定めておいた対応フローに基づいて、冷静に事実を確認し、必要に応じて迅速にSNSなどで公式に情報発信を行うなどして、風評被害がさらに拡大するのを防ぎましょう。
元となった情報の削除が難しい場合・また被害が大きい場合には発信者への責任を追及するために弁護士に相談し発信者情報開示請求を行い、削除命令や損害賠償の請求、また刑事告訴などを視野に入れても良いでしょう。
また、被害を最小限に抑えるための専門的な対策を行いたい場合には、専門対策会社に依頼するのもおすすめです。
専門対策会社ではノウハウに基づいて迅速に風評被害への対策を行ってくれるだけでなく、根本の原因の解明や前述のSNSモニタリングなどの効果的な施策により、再度風評被害が起こることを防止するための対策も可能です。
再発防止も含め事前対策を合わせて行っておきたい方は、ぜひ専門対策会社に相談してみましょう。
まとめ
今回の記事では、企業にとってとても重要な風評被害対策について、実際の風評被害事例とともに、企業が風評被害により受ける悪影響や行うべき対策、また風評被害をもしも受けてしまった場合にとるべき対応のポイントなどを詳しくご紹介しました。
記事内でもご紹介したように、風評被害は企業活動そのものを脅かすような悪影響を及ぼしかねず、企業では対策が必要不可欠です。
風評被害専門対策会社への依頼なども視野に入れながら、積極的に対策を行うのが良いでしょう。