レピュテーションとは？ビジネスにおけるリスクの原因・対策を解説

ビジネスにおいて、「レピュテーション」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。

レピュテーションは企業経営において、経営に多大な影響を与えるリスクにもなりかねない、重大な要素のひとつです。

そこで今回は、そんなレピュテーションとは何なのか、その概要とともに、ビジネスにおけるレピュテーションが抱えるリスクの原因と対策を解説していきたいと思います。

レピュテーションとは、日本語に訳すと「評判」「風評」といった意味になる言葉です。

そんな「レピュテーション」はビジネス分野においても、ITセキュリティの分野においても用いられる言葉ですが、それぞれその意味合いは異なります。
まずは、そんな2つの分野でのレピュテーションの意味を見ていきましょう。

まずは、ビジネスにおけるレピュテーションです。

ビジネスにおいてレピュテーションは、企業の持つ「評判」「風評」を指します。
ポジティブな評判・ネガティブな評判のどちらもひっくるめて指す言葉であり、企業経営やブランド戦略にも大きく影響するため、重要視されているでしょう。

本記事において解説していくのは、こちらのレピュテーションについてですね。

続いては、IT分野、特にセキュリティ分野におけるレピュテーションです。

IT分野では、悪質なファイルやサーバーを判断するために活用される技術を「レピュテーション」と呼びます。
対象のファイル・サーバーの実績・利用状況から信頼性を評価し判断するという仕組みで、効率的なセキュリティ対策を実現できる技術として注目を集めています。

ビジネスにおいてレピュテーションが重要視される理由として、レピュテーションリスクの顕在化による企業への悪影響があります。

レピュテーションリスクとは、企業や商品・サービスに関するネガティブな評判・悪評が拡散されることで、企業イメージやブランド価値の低下により損失を被ってしまうリスクのことです。
例えば不祥事や内部告発、誤情報の拡散による風評被害などが要因となり発生してしまうことがあるでしょう。

レピュテーションリスクは、インターネットが普及し、SNSが広がったことにより、現代の企業においては注視すべきリスクのひとつとなっています。

匿名で誰もが発信でき、拡散性の高いSNSでは、ネガティブな情報などが投稿されれば、瞬く間に拡散してしまうでしょう。
そうなれば企業のイメージや信頼を左右し、売上や取引、採用活動など、企業活動の様々な場面に悪影響を与えてしまうことになります。

安定した企業活動のためには、レピュテーションリスクへの対策が欠かせないということですね。

レピュテーションがリスクとなり顕在化してしまうのには、次のような様々な原因・きっかけがあります。

まずは、企業による不祥事ですね。
例えば経営陣が横領や脱税を行っていたなど不正行為が露わになり、その情報がメディアなどを通じて拡散されることで企業の信用は失墜してしまうでしょう。

また、経営陣だけでなく「バイトテロ」など、一従業員による不適切な投稿なども、炎上や評判悪化の原因となります。
例えアルバイトでも、企業側の管理責任が問われるでしょう。

商品やサービスの品質低下も、企業の評判に影響を与える重要な要素ですね。

特にSNSが発展している現代では、SNS上に「サービスの質が低下している」などネガティブな評価が投稿されることで、瞬時にこの評価が拡散され、イメージの低下、直接的な売上減少につながることもあるでしょう。

不祥事などは自社や従業員が原因となっていますが、中には根拠のないデマや誤解が広がってしまい、不当な批判を受けるケースもあるでしょう。

これまでご紹介したようにSNSの拡散力は非常に高く、内容の信憑性や正確性に関わらず、簡単に拡散されてしまいます。
万が一第三者によるデマが原因で被害を受けた場合には、法的措置などを検討するのも良いでしょう。

それでは、このようなレピュテーションリスクの顕在化を回避し、企業のレピュテーションを維持・向上していくためには、どのような対策を行えばよいのでしょうか。

レピュテーションの維持向上に効果的な対策としては、以下のようなものが挙げられます。
・現状のレピュテーションの把握
・広報活動強化
・社員教育の徹底
・監視体制の整備
それぞれ詳しく見ていきましょう。

まずは、リスクへの対処を行うためにそもそも現状の自社のレピュテーションがどうなっているのか、状況を把握することです。

採用活動が難航している、売上が減少しているなど、自社が抱える課題の背景にレピュテーションが関わっている可能性もあるでしょう。

オンラインでのレピュテーション調査などを行い、インターネット上での自社の評判・評価がどうなっているのか把握しておくことが重要ですね。

自社ホームページやSNS、プレスリリースなどを活用して、自社情報に関する広報活動を強化するのも、透明性を高め、ステークホルダーとの信頼関係を構築するためには効果的です。

企業の取り組みや価値観などを定期的に発信し、企業へのポジティブな印象を付けられると良いですね。

危機管理の意味合いとしても、緊急時にスムーズに情報発信・ステークホルダーとのコミュニケーションが取れるチャンネルを獲得しておくことは非常に重要です。

レピュテーションリスクへの対策として効果的なのが、社員教育の徹底です。

従業員による不適切な言動や、情報漏洩などの不祥事は、レピュテーションリスクの大きな要因となります。
コンプライアンスや情報セキュリティに関する研修、またSNSの不適切な利用を防ぐネットリテラシーについての教育などをしっかりと行い、従業員1人1人の行動が企業に直結する大きなリスクとなり得ることを周知しましょう。

SNSの使い方はガイドラインを定めるなど、ルールとして策定するのもおすすめです。

不正行為を迅速に発見したり、予防したりするための内部監査部門や相談窓口の設置といった社内の監視体制の整備はもちろん、SNSなどインターネット上の投稿を監視できる体制を整えるのも効果的です。

インターネット監視を行うことで、風評被害などのリスクにつながりそうな投稿を拡散前に発見でき、未然に防ぐことができるでしょう。

インターネット監視にはツールなどを用いるのがおすすめですが、より効果的に行うために知識を持つ対策会社に依頼するのも良いですね。

今回の記事では、企業の評判を意味するレピュテーションについて、その重要性とレピュテーションリスク対策の重要性、またレピュテーションへの具体的な対策法まで詳しくご紹介しました。

もちろん評価が高まることで顧客獲得などポジティブな効果を得ることもできますが、レピュテーションリスクが顕在化すれば、経営にも関わるような悪影響を及ぼしかねません。

ぜひ記事を参考に、リスク対策を行ってみてくださいね。